43話 ページ43
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全試合を終えて、自主練習のみとなった瞬間。
『…嫌ですって』
「まだ何も言ってないんだけど」
案の定、夜久に捕まった。
若葉に声をかけようとしていた日向は、二週間前に若葉が言っていたことを思い出し、納得した。
こうやって先輩に捕まるのか、と。
「夕…烏野のリベロがウシワカのサーブを取れるようになりたいらしいんだ。若葉ちゃん、左だから練習にはなるだろ？」
『そう言って、ちゃっかり自分も打ってもらおうとしてますよね』
「まあな。あと東峰くんが若葉ちゃんのサーブを見てみたいって。ほら、中学の試合の時にジャンプサーブやってたろ？」
夜久が体育館後方にいる烏野の数人をチラリと見やり、若葉と目を合わせた。
ジャンプサーブはお手本がいた方が習得しやすいのはわかっている。
若葉も兄から教えてもらった。
そして、ウシワカのサーブを取るためにサウスポーで練習したいということもわかる。
『生川の人ではだめなんですか』
「強いサーブ打つヤツはいるけどサウスポーはいないだろ？」
真っ直ぐに見つめてくる夜久を見て、はあ、と首を抑えた。
そして、するりと夜久の手を抜けて体育館後方へと足を進める。
『私も兄さんの負け面が見たいんで。協力しますよー』
「若葉ちゃんってそういうとこあるよな〜」
『何ですかソレ』
ニッと笑いながら駆け寄り、若葉の隣を歩きながらそう言った。
楽しそうな夜久の姿に若葉も思わず頬が緩む。
烏野が数人集まるところに近づくと、お、と誰かが声を上げた。
「夕、若葉ちゃん打ってくれるって！」
「まじっすか！！俺は烏野2年、リベロの西谷夕だ！！お前、身長高ぇな！！」
『どうも。音駒2年、牛島若葉。君は小柄だね』
近くで見ると、思ったよりも低い頭の位置に若葉は少し驚いた。
若葉の言葉を勘違いしたのか、西谷は噛み付いて来る。
「チビって言いたいのか！？あ！？」
「こら、西谷！相手は女の子だぞ」
詰め寄る西谷を菅原が腕を引っ張って止める。
けれども若葉は動じずにニコリと笑みを浮かべた。
『小柄だということは、リベロというポジションでより活躍できるということ。君は凄いリベロだ』
その言葉に西谷は思わず目を瞬かせた。
ゆっくりと口を開いたかと思えば、
「お前っ、よくわかってんなぁ！！俺はこの身長じゃなくても迷いなくリベロを選んだぜ。そう、俺は身長が低いからこそより活躍できている！！若葉サイコーだな！！」
キラキラの目を若葉に向けた。
コロリと手の平返った。
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早夜(プロフ) - LUNAさん» コメントありがとうございます！！楽しんでいただけて嬉しいです。今まさに公開致しました。パスワードなしでご覧いただけます。お待たせしてしまい申し訳ありません。ぜひ、続編も楽しんで読んでいただければ幸いです！！ (2月26日 23時) (
レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
LUNA - こんばんは!!初コメ失礼します!めちゃくちゃ楽しく読ませて頂きました!!続編も気になっているのですが数話公開されたらパスワードがなくても読むことが出来ますか？続編も気になるのでよろしくお願いします!! (2月26日 23時) (レス) id: b20802aba1 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - アマアマハチミツさん» コメントありがとうございます！まだ1話しか書けておらず、数話まとめての公開にしようと思っていたのですが…1話でもいいよ〜と言っていただけるのであれば公開させていただきます。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ミカサさん» 続編公開しますよ！それまでお待ちください！ (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - いくら丸さん» コメントありがとうございます。楽しく読んでいただけて嬉しいです。続編は公開致しますので少々お待ちくださいませ。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早夜 | 作成日時：2023年12月12日 0時
