5話 ページ5
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孤爪は監督やコーチが座る席の隣にいそいそともう一つパイプ椅子を用意し、ここに座ってと若葉に向かって発した。
だが、その声は届かなかったみたいだ。
若葉はぼうっとコート上、ネット際を見つめていた。
その横顔はどこか哀しそうで。
「若葉、」
もう一度、声をかければはっとして孤爪の方を向いた。
そして、いつもの作った笑みを貼り付けるのだ。
孤爪の眉間に皺が寄る。
『ごめん。何、研磨』
「…そんなにぼうっとしてたらボールに当たるかも」
『私を引き入れたいのなら、黒尾先輩や夜久先輩辺りが防ぐだろう。たとえぼうっとしていてもノープロブレムだよ』
「若葉って意外と強かだよね」
『立ち回りが上手なだけだよ。そういう研磨には冒険心がある』
私のこと、知りたがってるよね。
その小さな呟きに孤爪は目を見開いた。
確かに興味はあるけれど、それを相手に知られてるとは思わなかった。観察力がすごい、なんて比にならない。
ストンと椅子に腰を下ろして、右膝に頬杖をつき、横に立つ孤爪を見上げた。
その瞳の奥には何を隠しているのだろうか。
若葉は笑った。
『いつか一番に教えるよ。君に、私のこと』
「…じゃあ、待っておくよ」
『千年後でも？』
「無理」
『まあ、もう死んでるからね』
「そうだね」
壁側でそんな会話をする二人に近寄る先輩二人。
気づかないことから話が盛り上がってることが分かる。
あの人見知りで無口な孤爪が、クラスメイトとはいえ女子と話しているという事実に黒尾は驚いた。
しかも盛り上がっている。
波長が合うのだろうか。
「コンニチワ、牛島さん」
「来てくれてありがとな〜」
『いえ、研磨君のおかげで暇を楽しめました』
「へぇ、研磨が。もうすぐ監督が来るはずだから来たら紹介する。それまでゆっくりしててネ」
『ありがとうございます』
始終にこにこ笑っている。
孤爪が横目で若葉を見下ろせば、それに気づいた若葉は少し見上げて小さく舌を出した。
相変わらず自分を取り繕うことが得意なようで。
ふぅ、と溜息を吐けば、準備が終わったリエーフ達一年が若葉を囲っていた。
「若葉センパイ、俺のスパイク見ててくださいよ！！」
『見てるよ。音駒はレシーブが得意なんだろ？楽しみにしているね』
「「ハイ！！」」
どうやら若葉は後輩に好かれやすいみたいだ。
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早夜(プロフ) - LUNAさん» コメントありがとうございます！！楽しんでいただけて嬉しいです。今まさに公開致しました。パスワードなしでご覧いただけます。お待たせしてしまい申し訳ありません。ぜひ、続編も楽しんで読んでいただければ幸いです！！ (2月26日 23時) (
レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
LUNA - こんばんは!!初コメ失礼します!めちゃくちゃ楽しく読ませて頂きました!!続編も気になっているのですが数話公開されたらパスワードがなくても読むことが出来ますか？続編も気になるのでよろしくお願いします!! (2月26日 23時) (レス) id: b20802aba1 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - アマアマハチミツさん» コメントありがとうございます！まだ1話しか書けておらず、数話まとめての公開にしようと思っていたのですが…1話でもいいよ〜と言っていただけるのであれば公開させていただきます。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ミカサさん» 続編公開しますよ！それまでお待ちください！ (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - いくら丸さん» コメントありがとうございます。楽しく読んでいただけて嬉しいです。続編は公開致しますので少々お待ちくださいませ。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早夜 | 作成日時：2023年12月12日 0時
