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37話 ページ37

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『…純粋にそう思ってくれて嬉しいよ。で、私の話聞いてくれる?』

「ア、ハイ!!」





ビシッと背筋を伸ばした日向を見て、また視線を前に向けた。

ただただ広がる青い空と自然。






『私にかかる期待が大きくて、必死に合わせようと血が滲むような練習をした。でも、全く合わないんだ。私はこんなに練習してるのにって思った。その時に監督がセッターを変えてくれて、そのセッターが上げてくれたトスはドンピシャだった。何でかわかる?』

「セッターが上手かったからですか?影山みたいな」

『半分正解、かな。セッターが私に合わせてくれたんだ。私の助走と最高打点を見て、私が打ちやすいトスを上げてくれた』

「……」






ポカンと理解してない日向の顔を見て、若葉は立ち上がって背伸びをした。

両腰に手を当てて、空を仰ぐ。





『私が言いたいのは、スパイカーが打ちやすいトス以上に最高のトスはないってこと。君は間違ってない』





肩越しに日向を見下ろし、笑って言えば、日向は感極まったような顔で思わず立ち上がった。





「おれ、さっき影山に否定されたんです。あの速攻におれの意思は必要ないって……でも、間違ってないんですよね。おれが空中で戦えるようになりたいって思うのは間違ってないんですよね!?」

『何当たり前のこと言ってるんだ。主導権はスパイカーにあるんだよ。もし、君の強くなりたいって気持ちを否定する奴がいるのなら私が言ってやる』





それに弱いより強い方が断然いいでしょ?と人差し指を立てる若葉。

自分は間違ってないと背中を押され、日向は目頭が熱くなりギュッと拳を握った。






『まあ、そのために君は必死で練習しなければいけないんだけど』

「練習します!!たくさん!!あッ、今度の合宿の時、牛島さんに練習、付き合ってほしいです!!」

『あぁ、いいけど、先輩に連れていかれなければになるね』

「音駒の主将、ですか?」

『主将じゃなくてリベロの方。サーブ打ってくれって言われてるから』

「ぜひ!!サーブも見たいです!!」





言うんじゃなかった、とキラキラした目で見上げてくる日向から目を逸らしてそう思った。

でも、悪い気はしない。




『もう戻るよ。先輩たちにどこ行ってたんだーって怒られるかもね』

「ヒェッッ」

『ふふ、君は大丈夫だよ』



じゃね、とヒラヒラと手を振りながら音駒の方へ戻って行く若葉の背を見つめ、日向も烏野の方へと駆け出して行った。

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早夜(プロフ) - LUNAさん» コメントありがとうございます!!楽しんでいただけて嬉しいです。今まさに公開致しました。パスワードなしでご覧いただけます。お待たせしてしまい申し訳ありません。ぜひ、続編も楽しんで読んでいただければ幸いです!! (2月26日 23時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
LUNA - こんばんは!!初コメ失礼します!めちゃくちゃ楽しく読ませて頂きました!!続編も気になっているのですが数話公開されたらパスワードがなくても読むことが出来ますか?続編も気になるのでよろしくお願いします!! (2月26日 23時) (レス) id: b20802aba1 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - アマアマハチミツさん» コメントありがとうございます!まだ1話しか書けておらず、数話まとめての公開にしようと思っていたのですが…1話でもいいよ〜と言っていただけるのであれば公開させていただきます。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ミカサさん» 続編公開しますよ!それまでお待ちください! (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - いくら丸さん» コメントありがとうございます。楽しく読んでいただけて嬉しいです。続編は公開致しますので少々お待ちくださいませ。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:早夜 | 作成日時:2023年12月12日 0時

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