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35話 ページ35

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ドリンクを飲みながら音駒メンバーは、静かにコートに視線を送っている若葉を見やった。

微動だにしない彼女を見ていると、段々と心配になってくる。


息をしているのかという程に瞬きもしない。





「えっと、若葉ちゃ〜ん…大丈夫デスか?」





代表して黒尾が声をかければ、若葉はゆっくりと顔を向けた。





『正常です。いい試合でした。早めに変人速攻を抑えれたのは大きかった』

「俺が止めましたよ!!俺が!!」

『よくやった』





黒尾にいつものように返す若葉。

試合の感想を述べれば、エラいでしょと言うようにリエーフが身を乗り出してくる。


そんなリエーフ犬の肩に手を置き、ポンポンと動かせばリエーフはパアッと顔が明るいだ。





「相変わらずリエーフの扱いが上手いな」

「リエーフが若葉に懐いてるの、不思議だ」

「そうかぁ?そういう研磨だって若葉に懐いてるだろ」

「なんで」

「若葉と話す時、烏野のチビちゃんと話してる時と同じ顔してるから」





つまり、心を開いていると言いたい黒尾であった。


してないし、と孤爪からの返しを受けながらふと若葉に目を向ける。



若葉の視線は先程、影山が外へ出た出入口へと向いていた。






「気になるんだろ」





背後から声をかけると、珍しくビクリと肩を震わせた。

若葉と目が合う。






『セッターはスパイカーの道を作る……それぞれにあったトスを上げますが、最終的な主導権を握っているのはスパイカーです。それをアイツはわかっていない、気がします』

「それ、チビちゃんが目瞑るの辞めるって言ったことか?」

『はい。私はチビちゃんの方に頷ける』






黒尾と若葉の話を黙って聞いていた音駒の全員に驚きが走った。

あの、冷めていると言ったら殴られそうだが、あの若葉が未知の生物である日向と同じ考えだとは誰も思うまい。



ドリンクを飲んでいた夜久は噎せたようで、ゴホゴホと咳き込みながら若葉の方に目を向けた。





「出来ないかもしれないだろ?それでも、もし若葉ちゃんが烏野のセッターだったらやんの?」





その問いに若葉はキョトンとして目をパチパチと瞬かせた。

首を傾げて言った。







強くなるってわかってるのに何でやらないんですか







純粋な疑問。




ゾクリ。

その言葉に背筋が凍った。


そして、その場にいた全員が思った。




──やはり彼女は牛島若利の妹なんだ、と。

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早夜(プロフ) - LUNAさん» コメントありがとうございます!!楽しんでいただけて嬉しいです。今まさに公開致しました。パスワードなしでご覧いただけます。お待たせしてしまい申し訳ありません。ぜひ、続編も楽しんで読んでいただければ幸いです!! (2月26日 23時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
LUNA - こんばんは!!初コメ失礼します!めちゃくちゃ楽しく読ませて頂きました!!続編も気になっているのですが数話公開されたらパスワードがなくても読むことが出来ますか?続編も気になるのでよろしくお願いします!! (2月26日 23時) (レス) id: b20802aba1 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - アマアマハチミツさん» コメントありがとうございます!まだ1話しか書けておらず、数話まとめての公開にしようと思っていたのですが…1話でもいいよ〜と言っていただけるのであれば公開させていただきます。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ミカサさん» 続編公開しますよ!それまでお待ちください! (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - いくら丸さん» コメントありがとうございます。楽しく読んでいただけて嬉しいです。続編は公開致しますので少々お待ちくださいませ。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:早夜 | 作成日時:2023年12月12日 0時

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