32話 ページ32
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「ごめんなぁ、若葉、大丈夫かぁ、ホントにごめんなぁ」
『…赤葦くん、見てないで助けてもらえないかな』
「牛島さんはこれから仕事があるそうですよ。木兎さんも試合出るでしょう」
食堂から体育館まで若葉の周りをまるで犬のように顔を覗きながら着いてきていた。
ずっと声をかけてくるものだから鬱陶しくなり、様子を近くで見ていた木兎の飼い主 赤葦に連れて帰るように言えば、ようやく離れてくれたのだ。
離れたと言うよりかは赤葦が「行きますよ」と首根っこを掴んで引っ張って行ってくれたと言う方が合っている。
ぐったりしたまま音駒の元へ戻れば、アップを終えた福永が不思議そうに首を傾げて近寄ってきた。
「ぐったり若葉」
『木兎さんがずっと着いてくるから疲れたんだよ』
「リエーフみたい」
『そう。先輩だから邪険にできないでしょ？リエーフなら殴れるけど』
「邪険、リエーフ犬」
福永の口数の少ないところを若葉は気に入っていたが、ちょっとした駄洒落を不意に言ってくるところは流石の若葉でも対応しきれない。
笑みを浮かべてスッとその場を去った。
そして練習試合が始まる。
一発目の相手は梟谷だ。
監督の横で、地べたに座ってノートとA3のホワイトボードを周りにセットする。
ホワイトボードにはマグネットに選手の名前が書いてある。
これはローテーションの位置だ。
目の前のコートの試合状況を見ながら横のコートにも目を向ける。
影山と日向──孤爪から聞いた──の速攻が目に入る。
｢烏野はＧＷの時より落ち着いて見えますね！それに相変わらずのあの10番の速攻！｣
｢ん〜、そうね〜。全体的に安定感が出てきたね〜｣
安定感はあるかもしれない。でも、今の力で負けたのだ。
オレンジを見つめ、視線を戻した。
「上がった！研磨カバー！」
「レフトレフト！」
孤爪がセットする。
レフトへ上げようとしていた時、｢俺に寄越せェェェ！！｣と声を張り上げる存在がいた。
若葉は笑った。
孤爪がリエーフにあげたトスは鞭のようなスパイクによって決まった。
「ブロードなんて突然言われても困る」
「今のブロードって言うんすか！？カッケー！！」
教えてないの、というふうに若葉に視線を寄越す孤爪に対し、若葉はヒラヒラと手を振った。
孤爪ははぁ、と息を吐いた。
「でも、出来たじゃないすか｣
そんなリエーフの言葉にウンウンと頷く若葉を、孤爪は強く睨みつけた。
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早夜(プロフ) - LUNAさん» コメントありがとうございます！！楽しんでいただけて嬉しいです。今まさに公開致しました。パスワードなしでご覧いただけます。お待たせしてしまい申し訳ありません。ぜひ、続編も楽しんで読んでいただければ幸いです！！ (2月26日 23時) (
レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
LUNA - こんばんは!!初コメ失礼します!めちゃくちゃ楽しく読ませて頂きました!!続編も気になっているのですが数話公開されたらパスワードがなくても読むことが出来ますか？続編も気になるのでよろしくお願いします!! (2月26日 23時) (レス) id: b20802aba1 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - アマアマハチミツさん» コメントありがとうございます！まだ1話しか書けておらず、数話まとめての公開にしようと思っていたのですが…1話でもいいよ〜と言っていただけるのであれば公開させていただきます。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ミカサさん» 続編公開しますよ！それまでお待ちください！ (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - いくら丸さん» コメントありがとうございます。楽しく読んでいただけて嬉しいです。続編は公開致しますので少々お待ちくださいませ。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早夜 | 作成日時：2023年12月12日 0時
