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28話 ページ28

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翌朝、マネージャー全員でネットなどの準備をするという話をして寝床に着いた。

その約束の二時間前に起きた若葉はトレーニングウェアに着替え、シューズを履き、校門から出た。


リズム良く見慣れた歩道を走る。



朝の空気は気持ちよいこともあり、起きてからの若葉のルーティンであった。



1時間も経たないうちにまた学校に戻り、少し汗をかいたウェアから部活ジャージへと着替えた。

そして、他のマネージャー達を起こさないよう細心の注意を払いながら体育館へと移動した。



鍵は猫又から若葉へと渡されていた。


ガチャリと音を立てて開いた扉を横に引き、中へと入る。

全ての窓を開け、ネットを立てるポールを倉庫から出した。



昨夜から一人だと時間も労力も使うことを承知で、他の人たちを起こさずに準備をすることを決めていた。



『ふぅ、疲れるな』



ネットを張り終えた若葉はボールが入ったカゴを力を入れて引っ張った。

所定の位置まで引きずり、手を離してふとカゴの中を見下ろした。



赤と緑と白でデザインされた球体。

二年前まで触っていたもの。



思わず手を伸ばした。

触れた瞬間、毛が逆立つような感覚が伴った。



ポンッと空中に放り、落ちて来る前に両腕を構える。



腕に当たったら、また上がる。

また落ちてきて、また上げる。


しばらく繰り返して、落ちてきたボールをパシッと両手で掴んだ。




コートのエンドラインより後ろまで歩いて、ネットの奥を見据えた。




若葉の口角が上がる。


ああ、なんて良い眺めなんだろう。




何も考えられなかった。



ただ、懐かしくて、

やりたくない理由なんか忘れて、

ただただ打ちたかったのだ。




宙に放り投げたボール。

助走をつけて勢いよく飛び、左腕をスイングし、ボールを放った。



向かい側コートのエンドラインの手前、ギリギリに叩きつけられ、ボールは音を立てて跳ね上がった。



どうやら腕は落ちていなかったらしい。



左手をグーパーグーパーと動かして感覚を確かめていると、入口近くで音がした。

顔を上げれば、夜久が若葉がボールを叩きつけた箇所をじっと見つめていた。

そんな夜久の足元にはノートとタオルが落ちていた。




『おはようございます、夜久先輩』

「お、はよう。若葉ちゃんさ、」

『はい?』



声をかければ夜久は肩をびくりと震わせ、若葉に顔を向けた。

若葉は夜久の表情に驚いた。




「サーブ打つなら俺のこと呼べよ!!!!」

『いや、打つつもりなかったんで』

「早く起きるなら呼んで!?」



思わず肩を竦めた。

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早夜(プロフ) - LUNAさん» コメントありがとうございます!!楽しんでいただけて嬉しいです。今まさに公開致しました。パスワードなしでご覧いただけます。お待たせしてしまい申し訳ありません。ぜひ、続編も楽しんで読んでいただければ幸いです!! (2月26日 23時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
LUNA - こんばんは!!初コメ失礼します!めちゃくちゃ楽しく読ませて頂きました!!続編も気になっているのですが数話公開されたらパスワードがなくても読むことが出来ますか?続編も気になるのでよろしくお願いします!! (2月26日 23時) (レス) id: b20802aba1 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - アマアマハチミツさん» コメントありがとうございます!まだ1話しか書けておらず、数話まとめての公開にしようと思っていたのですが…1話でもいいよ〜と言っていただけるのであれば公開させていただきます。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ミカサさん» 続編公開しますよ!それまでお待ちください! (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - いくら丸さん» コメントありがとうございます。楽しく読んでいただけて嬉しいです。続編は公開致しますので少々お待ちくださいませ。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:早夜 | 作成日時:2023年12月12日 0時

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