20話 ページ20
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合宿当日、am.6:30。
新品の赤いジャージを着て、バレーのシューズを履いて体育館の床でキュッと鳴らした。
一番乗りだと思っていたから、顔を上げて目の前に人がいるのを見てビクリと肩を鳴らす。
「今日こそサーブ打ってくれ」
若葉はげ、と目を逸らした。
逸らした先に体を滑り込ませてくるその動作は流石リベロと言うべきか。
若葉がマネージャーになり、期末テストもクリアした数日後のことだった。
部室で若葉が月刊バリボーをペラペラめくって、とあるページを見て鼻で笑った。
その横で部員達がいそいそと準備をする中、ふと夜久が呟いた。
「そういえば、若葉ちゃんの試合の録画見たんだけどさ、サービスエース多いよな」
「やっくん、若葉のことすごく調べてたもんな」
『私、左利きなんで右利きの人と回転が違うんですよ。それだけで取りにくいから、そこに威力加えたらサービスエースとれます』
「そう、それで思ったんだよ。俺、若葉ちゃんのサーブ取ってみたい」
『あ、お引き取り願いまーす』
「なんで！？」
という会話があったのだが、この日から毎日サーブを打ってくれと頼まれ続けていたのだ。
若葉がネットを出そうと足を踏み出せば、まるでガバディのように通させないよう目の前に立たれる。
違う方に足を向ければ、また通せんぼ。
『私、マネージャーなんですけど！？もう少しで他校来るんですけど！？準備したいんで退いてもらっていいすか！？』
ついに若葉は叫んだ。
けど、夜久は動じずに自分の要望を伝える。
「サーブ打ってくれたら退く」
『私はウシワカの妹ですけど、ウシワカじゃないのでウシワカのようなサーブは打てません』
「俺がいつウシワカのサーブ打ってって頼んだ？俺は、若葉ちゃんのサーブを拾いたいんだよ」
ウシワカのようなサーブではなく、自分のサーブを？
初めての言葉に若葉は目を瞬かせた。
若葉は力があまり強くはない。だから、威力も普通より強いくらいのサーブだ。
若葉は息を吐いて、夜久を見据える。
『わかりました』
「本当！？」
『準備、手伝ってくださいよ』
ム、としながら横目で見れば夜久は目をキラキラさせて頷いた。
サーブを打ってくれるなら何だってする、と言ったように。
「得点板は二つだよなー」
なんて言いながら若葉が出したポールを受け取る夜久。
夜久にもっていかれたため、若葉はまた倉庫に戻って行った。
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早夜(プロフ) - LUNAさん» コメントありがとうございます！！楽しんでいただけて嬉しいです。今まさに公開致しました。パスワードなしでご覧いただけます。お待たせしてしまい申し訳ありません。ぜひ、続編も楽しんで読んでいただければ幸いです！！ (2月26日 23時) (
レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
LUNA - こんばんは!!初コメ失礼します!めちゃくちゃ楽しく読ませて頂きました!!続編も気になっているのですが数話公開されたらパスワードがなくても読むことが出来ますか？続編も気になるのでよろしくお願いします!! (2月26日 23時) (レス) id: b20802aba1 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - アマアマハチミツさん» コメントありがとうございます！まだ1話しか書けておらず、数話まとめての公開にしようと思っていたのですが…1話でもいいよ〜と言っていただけるのであれば公開させていただきます。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ミカサさん» 続編公開しますよ！それまでお待ちください！ (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - いくら丸さん» コメントありがとうございます。楽しく読んでいただけて嬉しいです。続編は公開致しますので少々お待ちくださいませ。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早夜 | 作成日時：2023年12月12日 0時
