19話 ページ19
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「マネージャーもジャージは必要だろ？」
「俺のジャージ借してたもんな」
「やっくんのでも袖短かったしな、痛っ！やっくんなんで蹴るの！！痛っ！！」
黒尾が夜久に蹴られているのにそれも視界に入らないくらい、海の手元に釘付けだった。
恐る恐る手を伸ばし、受け取った若葉はそれを掲げる。
「サイズは多分合ってると思うけど、合わなかったら言ってね」
『赤だ…』
「そうだね」
『紫じゃない』
「白鳥沢じゃないからね」
見慣れない赤色。
新鮮な色。
中学時代の白鳥沢の紫のジャージを思い浮かべれば、塗り替えられていく。
若葉が選んだ色。
兄について行って得た色ではなく、自分で選んで得た色。
『私、兄と一緒じゃないんだ』
「何を今更言ってんだ？うちのマネージャーは」
「まあ、今までウシワカが横にいりゃ感覚も鈍るデショ」
「若葉センパイ、着てみてください！！」
「絶対似合いますよ！！」
セーラー襟を崩さないようにそっと袖に腕を通す。
着終わった瞬間、おお、と歓喜の声が上がった。
「赤、似合いますね！！」
「うちのにもついにマネージャーが…！！」
リエーフと山本の声をスルーして、若葉は窓に映った自分の姿をまじまじと見つめた。
赤いジャージを着た自分。
紫のジャージを着た自分の隣にはいつも兄がいた。
けれど、今は。
振り向けば、同じ赤いジャージを着た仲間が騒いでいる。
「若葉、改めまして。
音駒排球部に」
ここでは偽らなくていい。
ここでは比べられない。
自分をちゃんと見てくれる人達がいる。
『こちらこそ、よろしくお願いします！』
太陽の眩しい光が差していた。
それはそれは温かくて輝いた光だった。
「それじゃあ、さっさと着替えて練習行くぞー」
部室のカーテンレールで仕切られたスペースに若葉も移動して、支給された黒いTシャツと先程もらった赤いジャージのズボンを履く。
袖に白くローマ字で音駒と書かれた上着を眺め、ザッと羽織った。
『私着替え終わったんですけどー、まだですか？』
「山本がパンツ一丁なだけ」
『早くしろよ山本ぉ』
「若葉様、サーセンッ」
「若葉何したんだよ…」
若葉はふっと笑みを零した。
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早夜(プロフ) - LUNAさん» コメントありがとうございます！！楽しんでいただけて嬉しいです。今まさに公開致しました。パスワードなしでご覧いただけます。お待たせしてしまい申し訳ありません。ぜひ、続編も楽しんで読んでいただければ幸いです！！ (2月26日 23時) (
レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
LUNA - こんばんは!!初コメ失礼します!めちゃくちゃ楽しく読ませて頂きました!!続編も気になっているのですが数話公開されたらパスワードがなくても読むことが出来ますか？続編も気になるのでよろしくお願いします!! (2月26日 23時) (レス) id: b20802aba1 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - アマアマハチミツさん» コメントありがとうございます！まだ1話しか書けておらず、数話まとめての公開にしようと思っていたのですが…1話でもいいよ〜と言っていただけるのであれば公開させていただきます。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ミカサさん» 続編公開しますよ！それまでお待ちください！ (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - いくら丸さん» コメントありがとうございます。楽しく読んでいただけて嬉しいです。続編は公開致しますので少々お待ちくださいませ。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早夜 | 作成日時：2023年12月12日 0時
