14話 ページ14
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「研磨はああ見えて負けず嫌いなのな。何を言ったか知らねぇけど、ま、とりあえず入部ってことで」
『チッ、想定外だ』
「あれキャラ変わった？？」
忌々しそうに舌打ちをする若葉に外面のいい笑顔で入部届を渡す黒尾。
若葉は入部届を十秒見つめて、息を吐いて受け取った。
ボールペンを借りて体育館のステージを机代わりに記入する。
横で記入する若葉を見て黒尾がふと呟いた。
「やっぱ、若葉ちゃんも左利きなんだな」
『そうですね。右も使えますけど便利なのは左……って、"やっぱ"？』
「あ、」
なぜ左利きであることを知っているのか。
それに"やっぱ"ってなんだ？
手を止めて怪訝そうに黒尾の顔を覗き込めば、黒尾の目線は天井へと向いていた。
『黒尾鉄朗』
「ハイ」
『説明。詳しく』
細められた金茶の瞳は、まるで尖った刃を突きつけられたように鋭くて冷たかった。
圧に耐えきれなかった黒尾は若葉の脅しに隠すことなく全てを話した。
孤爪から若葉を教えてもらった日、その日から三年はおそらく
そして、海が一昨年、若葉を知っていると言った。
ウシワカの妹で、彼とはまた違ったプレースタイルだったと。
スパイカーでありながらトスを出す。
セッターではないけれど、チームの司令塔は間違いなく若葉であった。
そんな彼女がバレーボールを辞めた試合の日、海はその目で見ていたのだ。
その話を聞き終えて、若葉は額に手を当て項垂れた。
『私が隠そうとしたこと全て知ってたとか……私、馬鹿みたいだ』
「ちなみに夜久はさらに調べてた」
『外見に騙されてはいけない人ナンバーワン』
男子バレーボール部。
2年3組 牛島若葉。
少し斜め上がりの字は、その癖はあれど見やすくて綺麗だった。
入部届を黒尾に差し出し、黒尾はそれを受け取ろうと紙を掴んだ。
が、一向に離さない若葉に何で渡してくれないんだ、マネージャー本当に嫌なのかと思い始めたその時。
若葉が口を開いた。
『黒尾先輩、この部が目指しているのはどこですか』
昨日のような全てを諦めた目ではなく、また光が灯った強い眼差しだった。
窓からオレンジの光が注ぎ込む。
黒尾のは口角を上げた。
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早夜(プロフ) - LUNAさん» コメントありがとうございます！！楽しんでいただけて嬉しいです。今まさに公開致しました。パスワードなしでご覧いただけます。お待たせしてしまい申し訳ありません。ぜひ、続編も楽しんで読んでいただければ幸いです！！ (2月26日 23時) (
レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
LUNA - こんばんは!!初コメ失礼します!めちゃくちゃ楽しく読ませて頂きました!!続編も気になっているのですが数話公開されたらパスワードがなくても読むことが出来ますか？続編も気になるのでよろしくお願いします!! (2月26日 23時) (レス) id: b20802aba1 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - アマアマハチミツさん» コメントありがとうございます！まだ1話しか書けておらず、数話まとめての公開にしようと思っていたのですが…1話でもいいよ〜と言っていただけるのであれば公開させていただきます。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ミカサさん» 続編公開しますよ！それまでお待ちください！ (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - いくら丸さん» コメントありがとうございます。楽しく読んでいただけて嬉しいです。続編は公開致しますので少々お待ちくださいませ。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早夜 | 作成日時：2023年12月12日 0時
