1話 ページ1
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『君、バレー部なんだって？意外だね』
急に話しかけられた孤爪はビクリと肩を震わせた。
声を掛けた本人はそのリアクションにクスクスと鈴を転がしたような笑い声を鳴らす。
『いきなりごめんね。この前、試合を観に行ったら君が出てたからさ』
机に頬杖をついて孤爪に目を向ける彼女の後ろに強い太陽の光が差していた。
逆光。
孤爪は目を細めながら彼女の問いかけに軽く頷いた。
『
「…そうでもないよ。ゲーム感覚でやってるし」
『ゲームも試合も全てここを使う。冷静に判断することは試合において最も重要だよ』
こめかみの近くをトントンと人差し指で叩いた彼女は孤爪に笑いかけた。
『君が音駒の脳なんだ。脳を動かすために血液を回す。いいね、そういうの』
目を細めて笑う、一瞬だけだと不気味に見えるその表情に少し体が強ばった。
ゆっくりと孤爪の口が開いたのに気づき、声が発せられるのを待つ。
「牛島さん、バレーしてたの？」
『あぁ、昔ちょっと、ね』
曖昧な返答。
自分には関係ない、とゲーム画面に視線を落とした。
その様子に女はふっと笑って引き出しから本を取りだし、栞を挟んでいたページを開いたのだ。
「研磨さん、なんでうちには女子マネいないんですか？」
「知らないよ……虎のせいじゃない？」
「俺！？」
放課後、部活動の時間。
緑のカーテンネットで仕切られた向こう側。
男子バスケ部には、ポニーテールの可愛らしい女子マネージャーが笛を口に加えてピッと鳴らしていた。
それを羨ましそうに見る後輩に問われ、面倒くさくてつい近くにいた同級生のせいにした。
「うちにも女子マネ欲しいです！！女子からの応援とかやる気出るじゃないですか！！」
「確かに。男バスめ、どうやって女子マネを確保したんだ…」
馬鹿やってる二人は放って置き、さっさとストレッチを終えていそいそと壁側へと移動した。
一年がネットを立ててくれるのを待っていると幼馴染がスタスタと近寄ってくる。
「リエーフのやつ、また言ってんのか」
「女子マネが欲しいんだって。どうするの」
「どうするにも何も、入ってくれねぇのには理由があんだろ。例えば山本とか」
「俺っすか！？」
孤爪と同じことを言う主将に、涙目で自分を指さして叫ぶ金髪モヒカンの山本を少し不憫だと思った。
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早夜(プロフ) - LUNAさん» コメントありがとうございます！！楽しんでいただけて嬉しいです。今まさに公開致しました。パスワードなしでご覧いただけます。お待たせしてしまい申し訳ありません。ぜひ、続編も楽しんで読んでいただければ幸いです！！ (2月26日 23時) (
レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
LUNA - こんばんは!!初コメ失礼します!めちゃくちゃ楽しく読ませて頂きました!!続編も気になっているのですが数話公開されたらパスワードがなくても読むことが出来ますか？続編も気になるのでよろしくお願いします!! (2月26日 23時) (レス) id: b20802aba1 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - アマアマハチミツさん» コメントありがとうございます！まだ1話しか書けておらず、数話まとめての公開にしようと思っていたのですが…1話でもいいよ〜と言っていただけるのであれば公開させていただきます。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ミカサさん» 続編公開しますよ！それまでお待ちください！ (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - いくら丸さん» コメントありがとうございます。楽しく読んでいただけて嬉しいです。続編は公開致しますので少々お待ちくださいませ。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早夜 | 作成日時：2023年12月12日 0時
