44話 see you again2 ページ46
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「もう行くか、彼方」
「うん。コレ、気に入っちゃった」
「自分で作るとか、私が作ったら綿飛び出るよ」
「Aには絶対無理な技術だよね」
「喧嘩売ってんのか」
おばあちゃん家から出て、近くの公園に向かう。
そこで待ってるって言ってたから。
背負ってるリュックにはバレーボールシューズとバレーボール、練習着が入ってる。
コレ、バレーリュックだから。
ほかの荷物は全部トラックinだぜ。
「あ、おった!!彼方、Aーー!!」
...。
「「幻聴かな」」
...。
「A、彼方ーー!!ツム、気づかんで」
「何やと!?お前ら、親友の声も忘れたんかー!!」
...。
「「幻聴だ、うん」」
「何幻聴言うとんねん、ポンコツ!!」
「誰がポンコツだ、バカ侑!!」
「やっぱ聞こえとるやん!!」
なんで居んの。
走って近寄ってくる双子。
治なんか止まらず、抱きついてきた。
「...なんで...なんで言わずに行くんや!!」
「だって、うるさくなるじゃん」
「こっちの身にもなってや!!Aがおらんくなったら俺...」
「ねぇ、何このシリアス。コレもうお腹いっぱいなんだけど〜」
「同じクラスなのに、何で言わんかったん」
「いや〜、Aが言うなって言ったから」
「スルーされた挙句に責任転嫁されるとか何?」
未だに抱きつかれてるし、肩に顔埋められてるし。
治くん?そろそろ離してくださいな?
「A、これ持っとけ」
「え?」
渡されたのは夏祭りで取った、金色の毛並みの狐のマスコット。
銀色は持ってるけど、何故?
「俺のこと忘れたらAの頭にサーブ打ち込んだるからな。俺が憧れたセッターはお前や。弱くなったりしたら許さへんで」
「...うん」
「俺も。俺以外のやつに惚れたりしたら許さへんで」
「治に至っては惚れてねぇよ。今のところトータルで1番なだけだ安心しろ」
「次会った時、俺がまだ1番やったら付き合うてや」
「...ハイハイ、1番だったらね」
そう言ったら強く抱きしめられたんですけど。
ようやく治が顔を上げたと思ったら、回されて肩に置かれていた手が後頭部に移動している。
え?と思った瞬間、治の顔が近づいてきて、唇に暖かいものが軽くあたった。
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早夜(プロフ) - パスワード消します。ぜひ2作目もご覧下さい。 (2021年6月4日 7時) (レス) id: 0ff5d087c5 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - 「setter」です。このパスワードは金曜日くらいまでだと思います。 (2021年5月31日 18時) (レス) id: 0ff5d087c5 (このIDを非表示/違反報告)
ののりんご(プロフ) - 教えていただけることは可能ですか? (2021年5月31日 16時) (レス) id: 3fd9f78cf5 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - パスワード変更しました。 (2021年5月31日 16時) (レス) id: 0ff5d087c5 (このIDを非表示/違反報告)
ののりんご(プロフ) - ありがとうございます! (2021年5月27日 15時) (レス) id: 3fd9f78cf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:早夜 | 作成日時:2021年3月11日 18時