36話 ページ38
❖osamu-side...
次の授業が体育で、1組と4組は合同やからツムと彼方と歩いとった。
「あーあ、Aと隣のクラスが良かったなぁ。治くん、Aのこと またよろしくね〜」
「おん、暇さえあればAのとこ行っとる。安心しぃ」
「Aの彼氏か!?そんなんやっててAによぅ嫌がられんな」
「ツムやったらちょっと引く言うてたで」
「何やそれ!!」
心配性でシスコンの彼方を安心させるために、昼休みよぅ3組行ってて良かった。
けど、A友達出来とらんで?
いーんか、それは?
体育館の扉に手をかけた時、
「侑と治は全くもって似てねぇよ。別人だよバカヤロー」
低い声やけど聞き慣れた声が聞こえた。
「A...?何してんの、こんなとこで」
眉を寄せたAとそっくりな顔。
角からチラリと顔を覗かせると、壁を背にAは先輩に追い詰められとった。
「侑と治は双子だし、似てるとこは多い。でも、侑は侑、治は治。
二人ともこの世に一人しかいない存在なんだよ!
なのに、侑がダメなら治?
そんなクソみたいな考えしてんじゃねぇ。
金輪際、侑と治をそんな風に見るなアホ」
宝石のように光るいつもの赤い目が、今は、鋭く細い針のようにギラついとる。
...あんな怖いA、初めて見たわ。
「...Aって、珍しいやつだと思わん?俺らのことをあんな風に言ってくれるやつなんて、そんなにおらんで」
「...おん。やっぱA好きやなぁ。ちゃんと俺は俺やって見てくれとるし」
「っAが、」
急に声を出した彼方を振り返ると、滝のように涙を流しとる...。
「ぜいぢょうじでる...!!おれ"のいもゔどまじざいごゔ...!!」
めっちゃ泣いとるやん、何をそんなに感動しとるんや。
「彼方、落ち着きぃや。Aはいつも急な事多いやろが」
珍しくツムが彼方を宥めとる。
ツムにとってもAは特別なんやろな。
トスのフォームやったり、プレイフォーム真似するくらいやし。
Aは最高や。
初めて仲良うなった女子がAで
初めて好きになったやつがAで
初めて憧れたバレー選手がAで
ほんま良かった。
これからもAが近くにおって欲しい。
...なんて思う俺は頭おかしいんかな?
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早夜(プロフ) - パスワード消します。ぜひ2作目もご覧下さい。 (2021年6月4日 7時) (レス) id: 0ff5d087c5 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - 「setter」です。このパスワードは金曜日くらいまでだと思います。 (2021年5月31日 18時) (レス) id: 0ff5d087c5 (このIDを非表示/違反報告)
ののりんご(プロフ) - 教えていただけることは可能ですか? (2021年5月31日 16時) (レス) id: 3fd9f78cf5 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - パスワード変更しました。 (2021年5月31日 16時) (レス) id: 0ff5d087c5 (このIDを非表示/違反報告)
ののりんご(プロフ) - ありがとうございます! (2021年5月27日 15時) (レス) id: 3fd9f78cf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:早夜 | 作成日時:2021年3月11日 18時