26話 ページ28
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「っしゃ!当たった!!」
「なんやと!?もう一回や!」
「このA様に勝とうなんて百年早い!が、受けて立とう!」
「なぁ、これ射的であっとる...?」
「楽しそうだからいいんじゃない」
ただいま射的で侑と戦闘中。
当たった数は3:4で今のところ、私が勝ってる。
「おっしゃ!A見とったか、俺のテクニック!!」
「ただ弾飛ばすだけだろーが!」
「あ"?なんやと!!」
バチバチと鳴る、私たちの間にある火花を水で消すかのように、スっと手刀が空中を切った。
「はい、後ろの人も待ってるからそこまで」
笑っているのに目が笑っていない。
ブラック彼方だ。こりゃこれ以上怒らせたら怖い。
当てた景品を貰い、並ぶ列の脇に寄る。
「こんなん要らんわ。Aやる」
「私もこれ要らないからあげる」
侑は何故かブレスレットを当ててしまったらしく、私にくれた。
でもって、私は、金色っぽい毛色の狐のストラップをあげた。
高2の、アニメで見た侑みたいだなって思ったから。
「...お前、これを俺に持っとけ言うんか!」
「侑っぽいじゃん?私持っててもいいけど...あ、もしかして侑、私の彼氏になりたいの?」
「なわけないやろ!!ドアホ!!」
真っ赤な顔で怒鳴る侑に説得力はない。
だって、可愛いんだもん。
まだ赤くなってる侑を宥める彼方を見ていると、肩を軽く叩かれた。
「...A、ツムに似とるんなら俺も似とるんやない?」
「治に?いや、治はこっち」
ちょっと悲しそうな顔の治に、もうひとつを見せる。
この狐、銀色っぽい毛色なんだ。
治に似てるでしょ?
「治欲しい?」
「Aが持っとって。仮でも俺の彼女やし」
「んじゃ、遠慮なく」
可愛いから、持っときたかった。
それに...
「治はあげたくないんだよなぁ...」
なんでだろう?
なんで、
治がいいと思うんだろう?
「A、どしたん?」
「ううん、何でもない」
キョトンとした顔で覗いてくる治が、何だかおかしくて、愛おしい。
あれか、近所の小さい子を心配するのと同じ感じか。
「なぁ、A」
するりと私の手をとって、顔の横に持ってくる治。
「浴衣似合っとるで。こんな可愛ええ彼女がおって、俺は幸せもんやなぁ」
ふふっと笑う治。
待って、顔赤くなってるんですけど。
この子、小6だよね!?
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早夜(プロフ) - パスワード消します。ぜひ2作目もご覧下さい。 (2021年6月4日 7時) (レス) id: 0ff5d087c5 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - 「setter」です。このパスワードは金曜日くらいまでだと思います。 (2021年5月31日 18時) (レス) id: 0ff5d087c5 (このIDを非表示/違反報告)
ののりんご(プロフ) - 教えていただけることは可能ですか? (2021年5月31日 16時) (レス) id: 3fd9f78cf5 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - パスワード変更しました。 (2021年5月31日 16時) (レス) id: 0ff5d087c5 (このIDを非表示/違反報告)
ののりんご(プロフ) - ありがとうございます! (2021年5月27日 15時) (レス) id: 3fd9f78cf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:早夜 | 作成日時:2021年3月11日 18時