人生やり直したいなぁって思ったけど、転生は望んでないです。 (ページ24)

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22話ページ24

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隣に座り込んでいた侑が私を見てくるのがわかった。

でも、私は正面を向いて、スポドリの容器を両手の平で転がして遊ぶ。

．．．楽しいんだよ、意外と。

「．．．何でAは上手いん？」

「トスのこと？それともセッターのこと？」

「どっちもや」

私と心夢の通うクラブチーム『Kalmia(カルミア)』は、元は侑と治、彼方の通う『Sasanqua(サザンカ)』(男子バレーボールクラブ)からできた、女子バレーボールクラブ。

なので、たま～に2クラブ合同で練習ある時があって、今日がそう。

「．．．アンダーは腕2本、オーバーは指10本」

☆atumu-side☆☆↓☆

「よりたくさんのもので支えたげるの。セッターだから」

ずっと前ばっか見とったのに、こういう時だけ俺の方を見てくる。

真っ直ぐな、俺の好きな、A色の瞳で。

「侑さぁ、深く考えすぎだよ。侑には侑にしかできないプレーがあるんだし、侑なりのセッターでいいと思う」

俺なりの、セッター。

．．．どーいうことやねん。

それが表情に出てたんかわからんけど、Aはため息をついて俺の肩に腕を回してくる。

コイツは自分が女ってことわかっとらんのか？

「簡単に言えば、侑はセッター。セッターはトスあげるのが仕事。ただそれだけ」

そう言うとAは「よいしょっと」とおっちゃんくさい声をかけながら立ち上がった。

座っとるままの俺に、

「“ 打たせてあげる “」

手を差し伸べながら「っていうのが私のセッター像ね」と微笑んだ。

彼方の手と違う、約一回りくらいちっさな手。

その手はひんやりとしとったけど、暖かかった。

「俺は、あん時のバレー教室で『セッターええな』って思ったんや。Aは？」

聞きたかった。ずっと。

最初からセッターのポジションにおって、彼方とのコンビも抜群で。

何でスパイカーやないんやろ？

何かと目立つAなら、スパイカーやっとってもおかしくはない。

スパイカーやっとんのは彼方で(彼方の方がセッターやと思っとった)、Aはセッター。

どっちでも多分上手いやろうからええねんけど。

でも、何でなんやろって不思議や。

「私がセッターやってる理由？ん～．．．」

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