人生やり直したいなぁって思ったけど、転生は望んでないです。 (ページ15)

今日:6 hit、昨日:18 hit、合計:152,501 hit

13話ページ15

❖

「Aちゃん」

「何、林さん」

声をかけられ振り向くと、頭半分くらい低い所で目線が合う。

白の丸襟シャツに、ピンクのレースがついたフリフリスカートを着ている心夢がいた。

襟にもレースって、どんだけフリフリ好きなんだ？

「私、侑くんのこと好きなんよ」

それは良うござんした。

で、何で私に言ったのか。

「Aちゃん、侑くんと仲ええやろ？近づかんといてくれん？」

そう言うと思った～。

独占欲強めの女ってそうじゃない？

好きな男子の近くにいる女は、気に食わん！！って感じ？

前世でも言われたことありましたよ。

無視しましたけどね。

「私が近づかなくても侑が近づいてくるでしょ。私ら仲良いから。彼方と侑、治は親友みたいだし」

いつの間にか仲を深めてた彼方。

この前、半目で見てやると「俺ら親友やもんな～」と侑と治と肩を組んでいた。

「私は！？」

と抗議したけど聞こえないフリをされた、酷い。

用は済んだと身を翻し、トイレへ行こうと足を進めようとしたら、

「自惚れんなや．．．」

とひっくーい声が後ろから聞こえる。

これは振り向いたらいけないパターン。

これこそ無視しよう。

「ちょっと可愛いからって自惚れんなや！！転校生のくせに！！」

私って可愛いんだ？

怖いのかと思ってた。

目は赤いし、髪は真っ黒のくせっ毛。

治からは「魔女みたいやな、かっこええ」と言われた。

「何でなん！？問題児やのに何で近くにいるおれるんや！！何で仲良う出来るんや！！」

うっせーな、後ろ。

心夢って名前可愛いくせに、中身は可愛くねーな。

ごめん、思いっきり悪口だ。

「あのさぁ、そういう考え持ってるからじゃねーの。私と侑は、単にバレー馬鹿なの。そこ忘れんな」

肩越しに見える心夢に、そう吐き捨てた。

「あと、侑そこにいるから。聞かれてることも忘れずに」

びっくりだよね。

トイレから出てきた侑に気づかないとか、本当に好きなの？

顔で見てない？

てか、私もトイレ行きたい。

もう行っていいかな？

「侑くん．．．お前、侑くんおるってわかっとったやろ！？わかっとって話させたんか！？このっ、女狐！！親の顔が見たいわ！！どんな育て方したんやろーな！！」

はい、あなた今地雷踏みましたよー？

キレていい？？いいよね？？

❖