44話 一条家 ページ4
◇
「昔の話だから、長くなるんだけど。
私が生まれた家の先祖が公家だったらしく、
家を遺していかないといけない暗黙の了解ってやつがあった。
父の家も昔からの家で、婿養子として入ったんだけど、まあ政略結婚ってやつ?
そんで間に生まれたのが私。
私って昔から顔は中性的だったらしく、祖父が男だと間違えて大喜びしたらしい。
これは、本当のこと伝えられないと思った母と父は、私を男として、家の跡継ぎとして育てた。
でも、いつかはバレるわけで。
私が8歳の時に、お見合いさせよう。なんて言った祖父に私は誤って、同性なのに?って言ってしまったんだよな。
祖父は母と父を責め、私と父は追い出された。
そんで、父は義母と出会ったんだけど。
私の母親、どうやら私を跡継ぎにしたいわけでさ。
義母を私から引き離そうとしてくるから、義母に頼んだの。
『私の母が連れ戻そうとしなくなるまで、青猫家の親戚ということにしてくれませんか』ってね。
母は義母の顔まで知らないから、ちょうど良かった。でも、海と空にも隠さないといけなくて...。
家に毎日いたら何で??ってなるだろ?だから、たまにお世話しに来てもらったりしてる。
今日は、来れない日だったから連れてきた。
ただ、それだけ」
シリアスになってしまったな。
でも、話してほしそうだったし。
右目だけ瞼を開き、ちらりと双子を見ると、口がポカンと開いていた。
二人とも。
1ミリのズレもなく。
思わず吹き出してしまった。
「アハハッ!何その顔!!」
「いや、笑い事ちゃうやろ。自分生まれたとこ凄ないか?」
「どこの家なん?えらい話やったけど」
眉を寄せる動作まで同じタイミングで、少し笑った。
「私の家?
「一条?知らんわ、サムは?」
「俺も知らん。部活が忙しくてテレビ見る暇がないねん」
「でしょうね」
なんか...話し疲れた。
あー、研磨に会いたい。なんならクロでもいいや。
研磨がいいけど。
「...ねぇ、私も聞きたいことあるんだけど」
ずっと考えていた。
ここに来てから更に考えた。
やっぱり実の母親を知りたいんじゃないかって、一緒に過ごしたいんじゃないかって。
弟達には、私みたいな寂しい思いをして欲しくないんだ。
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ハイキュー!! - 白布く〜ん!←そこっ!? (2021年4月8日 23時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
うい - はい!!!!ありがとうございます!!!!!!すっごく嬉しいです、、、、ああもう今から口悪い子がいいなぁとか頑張りやな感じもいいなあ妄想膨らんじゃいます!!!笑笑 更新頑張って下さい!!!!!応援してます!!!!! (2021年3月10日 0時) (レス) id: 98c2d3c7fd (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ういさん» コメントありがとうございます。気分を害するなんて...全然!!むしろ嬉しい限りです!黒尾さんの小説ですね、色々落ち着いたら書いてみようかな?とりあえず青猫ちゃんの更新を頑張ります(●´▽`●) (2021年3月9日 20時) (レス) id: 43aab8f9d8 (このIDを非表示/違反報告)
うい - それと、気分を害してしまったら申し訳ないんですが早夜様、黒尾君の小説はお書きになられないでしょうか(下心)早夜様のお話の書き方がとっても好きなので是非推しの作品も見てみたいなぁと思いまして。1ファンの提案なので本当に気分を害してしまったらすみません (2021年3月9日 7時) (レス) id: d1ae5f1ca1 (このIDを非表示/違反報告)
うい - とっても面白い小説で感動しました、、、、クロ推しで気まぐれでこちらの作品を見たのですが想像以上に面白くってイッキ見してしまいました、!!!!!!!!更新ゆっくり待っていますので作者様のペースでお書き下さい!執筆応援しています。 (2021年3月9日 7時) (レス) id: d1ae5f1ca1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:早夜 | 作成日時:2021年1月6日 19時