55話 ムカつく ページ15
◇
「青猫A、白鳥沢に来い」
「え、嫌です」
What?
なんでそうなった?
” 「確かに力みすぎたかもしれない」”
そう言ってしばらく口を閉ざしたあとに出てきた言葉が、白鳥沢に来い??
何を言ってんですか、あなた。
即答してしまったが、私の居る場所は音駒だ。
研磨の居る、幼なじみ二人が居る、あの場所だ。
「お前は優れている。だが、その能力を充分に発揮できていないだろう。だから、白鳥沢に...」
「だから、嫌だって言ってるじゃん!!」
ぎゅっと拳を握りしめる。
私の大声にウシワカはもちろん、近くにいた白布さえもが息を呑んだように思えた。
「確かに白鳥沢は強い。でも、私が選んだのは音駒であって、白鳥沢じゃない!
強いところに強い奴が集まると思ったら大間違い。
”ウシワカ”さんのプレイは尊敬しますけど、その態度は嫌いです。
では、失礼します」
身を翻して、出口の方に歩き始めたが、一つ言い忘れたことがあり振り返る。
「白布!」
名を呼ぶと、眉を寄せて睨みながら私を見てきた。
尊敬する先輩をボロクソに言ってすまん。
「五色と合わせる時、気持ちゆっくりでいいと思う。それだけ、じゃ」
気まずくなって、出口から走り去る。
いやいや、私何言ってんのー!
ウシワカの態度嫌いとかマジで...
「あぁ、ムカつく!!何ホントに!!天然!?無自覚!?上手くてそれって、ホントにムカつくんですけどぉぉぉ!!」
ガシガシ頭を掻き回してたら、視線の向こうに見えたのが、
白にミルクグリーンのラインが入ったジャージを着た人が柱に寄りかかって突っ立っていた。
あ、知ってる人だ...。
「やっほー、Aちゃん」
「...」
素通りしようとしたら「なんで無視するの!?!?」と腕を掴まれたので、しぶしぶ目を合わせる。
「及川、早く帰ったら?疲れてるでしょ」
「え、Aちゃん、俺のこと心配」
「してない」
「そんな顔しなくてもいいじゃん!!」
それよりさ、と私の髪ゴムを勝手に取って、手櫛で整える及川よ。
触っていいと許可した覚えはない。
「なんで居んの?それにムカつくってどうした?」
聞いてたんかーい。
目を逸らしても、視界に入ってくる及川め。
言うから、大人しくしててくれないかな。うるさい。
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ハイキュー!! - 白布く〜ん!←そこっ!? (2021年4月8日 23時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
うい - はい!!!!ありがとうございます!!!!!!すっごく嬉しいです、、、、ああもう今から口悪い子がいいなぁとか頑張りやな感じもいいなあ妄想膨らんじゃいます!!!笑笑 更新頑張って下さい!!!!!応援してます!!!!! (2021年3月10日 0時) (レス) id: 98c2d3c7fd (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ういさん» コメントありがとうございます。気分を害するなんて...全然!!むしろ嬉しい限りです!黒尾さんの小説ですね、色々落ち着いたら書いてみようかな?とりあえず青猫ちゃんの更新を頑張ります(●´▽`●) (2021年3月9日 20時) (レス) id: 43aab8f9d8 (このIDを非表示/違反報告)
うい - それと、気分を害してしまったら申し訳ないんですが早夜様、黒尾君の小説はお書きになられないでしょうか(下心)早夜様のお話の書き方がとっても好きなので是非推しの作品も見てみたいなぁと思いまして。1ファンの提案なので本当に気分を害してしまったらすみません (2021年3月9日 7時) (レス) id: d1ae5f1ca1 (このIDを非表示/違反報告)
うい - とっても面白い小説で感動しました、、、、クロ推しで気まぐれでこちらの作品を見たのですが想像以上に面白くってイッキ見してしまいました、!!!!!!!!更新ゆっくり待っていますので作者様のペースでお書き下さい!執筆応援しています。 (2021年3月9日 7時) (レス) id: d1ae5f1ca1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:早夜 | 作成日時:2021年1月6日 19時