42話 手を繋ごう ページ2
◇
「なんでこーなった...」
「ええやん、大勢でおる方が楽しいやろ。な、海人」
「うん!!ねーさん、たのしみだね!」
「友達の家でお泊まり大会、じゃないからね?」
ツムツムを真ん中に、右には海が、左には空がいて、手を繋いでくれている。
その様子を後ろから観察。隣にいる治も同じように観察している。
まぁ、ありがたいんだけど、なんとも言えないこの状況。
「俺らも手ぇ繋ぐ?」
「あほなの?」
「あほ
羨ましそうな目か...。
普通の家庭だったら、あんな風に手を繋げたんだろうな。と思う。
一度も、家族と手を繋いだこともなければ、おぶって貰うこともなかった。
だからかな、羨ましいと思うの。
意識してなくても思ってしまうんだろうな。
「...転ぶで」
「うぉわっ」
小さな石につまずいて転びそうになったけど、いつぞやの研磨みたいに、引き寄せてくれたのはいいんだけども。
「あの、治くーん?」
「どうかしたん?」
「いや、手」
「ん?」
「手!!」
私達のやり取りを不思議に思ったのか、3人とも後ろを振り向いてきた。
「サム、何抜け駆けしとるんや!!」
「...ぼくらのねーさんはけんまくんのだから」
「そーだそーだぁ、けんまくんの!」
おうふ。研磨のではないけどね?
付き合ってもないからね??
「海人、空人。転びそうになったところを俺が助けたんや。ねーさんの救世主やねん」
「「ならいいや」」
「すぐ見捨てるな、双子」
すぐに前を向くが、一人だけこちらを向いて睨んでいる。正確に言えば、治を睨んでいる。
「サム、覚えとけ」
それだけ吐き捨てて、くるりと前を向き、歩き始めた。
双子ってテレパシー使えるのかな?
今のだって、何を覚えとけ。なんだ?
よくわからねーなぁ。
「Aの手、冷たいな。冷え性なん?」
「今夏でしょ、サマー。元から冷たいんです」
「なら心は暖かいんやな」
「うわー、テンプレだな」
ははっと笑うと、何だか心が軽くなった。
もしかして、さっきの話で落ち込んだと思ったのかな??
それに気づいてくれて、こうやって笑わせてくれるって...治、優しいじゃん。
その優しさにいつまでも包まれてたいなぁって思うけど、やっぱり一番は研磨だから。
研磨しか勝たん!!
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ハイキュー!! - 白布く〜ん!←そこっ!? (2021年4月8日 23時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
うい - はい!!!!ありがとうございます!!!!!!すっごく嬉しいです、、、、ああもう今から口悪い子がいいなぁとか頑張りやな感じもいいなあ妄想膨らんじゃいます!!!笑笑 更新頑張って下さい!!!!!応援してます!!!!! (2021年3月10日 0時) (レス) id: 98c2d3c7fd (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ういさん» コメントありがとうございます。気分を害するなんて...全然!!むしろ嬉しい限りです!黒尾さんの小説ですね、色々落ち着いたら書いてみようかな?とりあえず青猫ちゃんの更新を頑張ります(●´▽`●) (2021年3月9日 20時) (レス) id: 43aab8f9d8 (このIDを非表示/違反報告)
うい - それと、気分を害してしまったら申し訳ないんですが早夜様、黒尾君の小説はお書きになられないでしょうか(下心)早夜様のお話の書き方がとっても好きなので是非推しの作品も見てみたいなぁと思いまして。1ファンの提案なので本当に気分を害してしまったらすみません (2021年3月9日 7時) (レス) id: d1ae5f1ca1 (このIDを非表示/違反報告)
うい - とっても面白い小説で感動しました、、、、クロ推しで気まぐれでこちらの作品を見たのですが想像以上に面白くってイッキ見してしまいました、!!!!!!!!更新ゆっくり待っていますので作者様のペースでお書き下さい!執筆応援しています。 (2021年3月9日 7時) (レス) id: d1ae5f1ca1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:早夜 | 作成日時:2021年1月6日 19時