57話 ページ10
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しばらく黙っていた月島だったが、いきなりグリンと首を回して若葉の方へ顔を向けた。
向けられた若葉は驚き、目を瞬かせる。
「牛島さんにも聞きたいことがあります。いいですか？」
「「いぃーよー」」
「あんたらにはもう聞きましたよ」
『いいよ、簡潔にして』
黒尾と木兎のおちゃらけた返事をスルーした月島は、簡潔にという言葉に少しの間、口を閉じていた。
若葉と目を合わせて開いた口から声を出す。
「牛島さんはウシワカの妹だと聞きました。ウシワカとかチームとか色々あってバレーを辞めたのに、なんでもう一度関わろうと思ったんですか？なんで立ち直れるんですか？」
夜久の前ではチビが禁句ワードは暗黙の了解であり、それは若葉にもあって、ウシワカの妹が禁句ワードである。
それを知っている黒尾は冷や汗を垂らしながら黙る若葉の横顔にちらりと視線を送る。
けど、心配は無用だったようだ。
若葉は首を傾げて言った。
『確かに私は、いつもウシワカと比べられること、チームメイトにも見捨てられたことを理由に辞めた。私は、君の言っていることがわかるよ。
兄を目指して頑張って苦しくて心が折れて、足を止めてしまった。
君は、私はその経験をしたのに何故またバレーに戻ってきてんだって言いたいの？』
足が竦むようだ。
木兎に質問した時よりも、空気に圧が含んだ彼女の言葉。
月島は震えを隠してハイ、と頷けば、若葉は口角を上げた。
『戻ってくる気はなかったよ。月島くん、私はバレーにハマる瞬間に出会ったことはない。だけど、あんな風になりたいって強く思ったんだ。
それはバレーを辞めた時も消えなかった。
だから、マネージャーに無理やり入れられたようなものだけど、少しほっとした自分がいたんだ。
またバレーに関われるって』
もう二度とコートになんて立ちたくない。
誰も認めてくれやしないのだから。
所詮、ウシワカの妹だということしか知られていないのだから。
『立ち直れてるわけではない。今でも比べられると腹が立つし、やっぱりウシワカは凄いって思う。私は一生ウシワカには適わないかもしれない。
でも仕方ない。
私は牛島若利の妹で、全国三大エースの妹で、超バレー馬鹿の妹なんだから。
そう割り切って、私は私のできることをするしかない。
君は凄い選手だ。冷静で分析力もあってセンスもあるのに、何を迷ってんだ。お前も化けることが出来んだよ。さっさと体に染み込ませろ馬鹿』
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早夜(プロフ) - ナノハナさん» ありがとうございます！ぜひ追ってください…！あれ51話が2つありますね？？修正します！教えて下さりサンキューです！ (2月28日 15時) (
レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - 続編ありがとうございます！！！！ずっと追わせていただきます！！！…51話が２つある事が気になっているんですが… (2月28日 15時) (レス) id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - 冴凪りつさん» ありがとうございます！ちょっと入れるはずのなかった話を入れてしまい、代表決定戦まで入るか心配になってきております。更新頑張りますね！楽しみにしていて下さい！！ (2月27日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ふみさん» お待たせしてすみません！ガンガン更新する予定ですので楽しみに待っていただけると嬉しいです！ (2月27日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
冴凪りつ(プロフ) - 続編待ってました!!これからの展開すごく気になります!!更新楽しみに待ってます！ (2月27日 21時) (レス) id: c52178a352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早夜 | 作成日時：2024年2月26日 14時
