89話 ページ42
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「ちょっと金かかるけど新幹線だと2時間くらいで着くぞ。部費から出してやっから」
『個人的な用事を部費から出すのはいただけませんね』
「本日、若葉は部室も体育館も出禁！！結果を持ち帰ってこい！以上！！」
グイグイと夜久に背中を押され、黒尾には仁王立ちで言い放たれ、部室の扉をバシンッと閉められた。
何とも強引。
こんな扱いを受けるとは思ってもおらず、若葉は唖然と部室の扉を見つめていた。
ポケットに入れていたスマホが震えたことで我に返り、取り出してみれば孤爪からのメッセージだった。
画面に指を走らせ、メッセージアプリを開いてみると孤爪からの言葉に若葉は目を見開く。
行ってらっしゃい、気をつけてね。だと？
孤爪まで言うのか。
はあ、とため息を吐き、頭をガシガシとかいて踵を返す。
『ツッキーの勇姿でも見に行くかなぁ』
行く気なんてサラサラなかった。
あとから動画を見返そうと思ってたのに、まさかの出来事。
自分たちだって代表決定戦まで日にちが近いのに、マネージャーを、しかも個人的な用事で休むのに快く見送るなんて。
試合が始まるまであと2時間ほど時間がある。
ちょうどいいと言えばちょうどいい。
銀行でお金を卸して、それから新幹線の時間を調べて……こうなるんだったら最初から行けばよかった。
変な意地なんて張らずに。
無事、新幹線に乗れたので、宮城へと向かう。
部活する気満々だったため、全身赤のジャージ姿である。
若葉はゆっくり瞼を下ろした。
少しの興奮と早い心拍を抑えるかのように深く息を吸い込んだ。
駅の改札を出てバスへと乗り換える。
地下鉄の方が速いが、何となくそうしたくなかった。
約30分かけてバスを降りて、歩いていく。
あぁ、見えた。
若葉も試合をしたことがある、この体育館に。
2年ぶりの懐かしい空気と景色。
キュ、とエナメルバッグの肩紐を握りしめ、一歩踏み出した。
後ろの方で見ようと席を探し、大学生くらいの男性に声をかけた。
『今何セット目ですか』
「2セット目の後半ですよ…って、お前…！」
『あ、青城の及川徹だ。ドーモ』
キラキラとした笑顔を向けてきたかと思えば、人の顔を見た瞬間にゲッと渋い顔にチェンジ。
失礼な人だな、と思ったら、まさかの知り合いであった。
通路を挟んだ席に座り、コートを眺める。
相変わらずの存在感の強さ。
すぐに見つけられた。
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早夜(プロフ) - ナノハナさん» ありがとうございます！ぜひ追ってください…！あれ51話が2つありますね？？修正します！教えて下さりサンキューです！ (2月28日 15時) (
レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - 続編ありがとうございます！！！！ずっと追わせていただきます！！！…51話が２つある事が気になっているんですが… (2月28日 15時) (レス) id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - 冴凪りつさん» ありがとうございます！ちょっと入れるはずのなかった話を入れてしまい、代表決定戦まで入るか心配になってきております。更新頑張りますね！楽しみにしていて下さい！！ (2月27日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ふみさん» お待たせしてすみません！ガンガン更新する予定ですので楽しみに待っていただけると嬉しいです！ (2月27日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
冴凪りつ(プロフ) - 続編待ってました!!これからの展開すごく気になります!!更新楽しみに待ってます！ (2月27日 21時) (レス) id: c52178a352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早夜 | 作成日時：2024年2月26日 14時
