52話 ページ5
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もうひとつスイカをもらって若葉の隣に腰を下ろした影山は、チラリと横に視線を送った。
片膝を立てた上に腕を置き、まるで絵になるポーズを取っている。
サラリと風が吹き、緑の髪を拾って舞い上がる。
『…私の顔に何かついてるのかな』
「サーセン。綺麗だったんでつい見惚れてしまいました」
『お前の素直なとこ嫌いじゃないよ。だけど、誰彼構わず言うのはやめた方がいい』
「ウス。若葉さんにしか言いません」
『そういうことじゃないんだけど？？』
はは、と何か面白かったのか笑い声を上げた若葉は空を仰いだ。
眩しそうに目を細めて。
『…兄さんも言っていた。若葉は綺麗だなって、幼いくせにそんなこと言うからよくわかんなくってさ。いつか居なくなってしまいそうって口癖のように呟くんだよ』
「それ、わかります。若葉さんから目を離すといつの間にかいませんから。実際に二年間、どこにいるのかも知らないし連絡も取れなかった」
『その節はごめん』
「スイカ美味いすよ。若葉さんの分も取ってきましょうか？」
『文脈。飛雄、コミュニケーションって知ってるか？あと、スイカ苦手だからいいよ』
影山は少し嬉しく感じていた。
なかなか自分の話をしない若葉が、ちょっとずつウシワカの話でも何でもいいが、自分のことを話しているからだ。
若葉の分のスイカを取りに行こうと腰をあげた状態で止められ、スッと若葉の横に戻った。
「苦手なんですか？夏って言えばスイカなのに？」
『その基準はよくわからないけど、これも兄さんのせい。小学生の頃、私が熱中症気味になってた日に父がスイカを貰って帰ってきたんだ。熱中症なら水分を取った方がいいと、兄さんは二切れしか食べなかったのに私に五切れくらい押し付けてきた。案の定、私は吐き戻して寝込んだ』
「…思ってたウシワカと違ってて驚いてます」
『私から見たら、迷子に忘れ物にうっかりやらかしの常習犯』
「兄妹ってやっぱ似るんですね」
『私は迷子にならないし忘れ物もしないしやらかさない』
またウシワカの話になるとチッと舌打ちが繰り出されるし、機嫌も悪くなる。
けれど、いつもの作り笑顔を浮かべている若葉よりは今の方が影山には好ましかった。
何だかんだ言って、兄妹仲は悪くなかったのだと思えるエピソード達。
今朝より幾分が機嫌が治った若葉の元に、口に種を含んだリエーフが「見てください、俺のスーパーアルティメットサンダービームを！」と近寄ってきて、口から種を噴射して見せた。
それを見た若葉の一言。
『それよりレシーブできるようになれ』
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早夜(プロフ) - ナノハナさん» ありがとうございます！ぜひ追ってください…！あれ51話が2つありますね？？修正します！教えて下さりサンキューです！ (2月28日 15時) (
レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - 続編ありがとうございます！！！！ずっと追わせていただきます！！！…51話が２つある事が気になっているんですが… (2月28日 15時) (レス) id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - 冴凪りつさん» ありがとうございます！ちょっと入れるはずのなかった話を入れてしまい、代表決定戦まで入るか心配になってきております。更新頑張りますね！楽しみにしていて下さい！！ (2月27日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ふみさん» お待たせしてすみません！ガンガン更新する予定ですので楽しみに待っていただけると嬉しいです！ (2月27日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
冴凪りつ(プロフ) - 続編待ってました!!これからの展開すごく気になります!!更新楽しみに待ってます！ (2月27日 21時) (レス) id: c52178a352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早夜 | 作成日時：2024年2月26日 14時
