86話 ページ39
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10月上旬、森然高校で合宿が行われた。
少し肌寒くなってきて、若葉は時々ジャージを羽織ったりしていた。
黒尾や木兎達の練習──主にウシワカ対策として月島のブロック強化に付き合わされていた若葉は、ガンガンスパイクを打ち込んでいたため力尽きて休んでいた。
ふいに声をかけられて振り向いた。
『…珍しいね。君から声をかけてくるなんて。タダ・ノブカツ君以来じゃない？ツッキー』
「聞きたいことがあります」
『いーよ、なんでも答えてあげる。好きなタイプでもなんでも』
「それはどうでもいいです」
『あぁそう？それで？』
ふざけた返答を即答されて若葉はつまんね、と口を尖らせた。
けれど、目の前の月島が思ったよりも真剣な顔つきをしていたので、真面目な話なのだと表情を変えた。
月島は間を置いて口を開いた。
「ウシワカの凄さは、サウスポーで三大エースと呼ばれるほどの実力を持っていることですよね」
『そうだね。君もだけど大抵の人は右利きに慣れてるから、いきなり左利きを相手にするとやりづらい。そのことをちゃァんと頭に入れておくんだよ。あと、あの人は力強いから気をつけて』
「…止めれると思いますか」
予想外の質問に若葉は思わず目を丸くして月島の顔をじろじろと眺めた。
今までの月島なら止めれると思うかなんて聞いても来なかっただろう。
諦めてたはずだ。
月島の成長と心の変化を感じて若葉は笑みを浮かべた。
『止めてみてよ。君なら止められる。相手の調子とタイミングさえ掴めれば、君はきっと止める』
「本気で言ってますか？あのウシワカですよ？牛島さんなら他の人よりもウシワカのことがわかるでしょう？」
『だからだよ』
まるで理解できないとでも言いたげな月島に、若葉は強く言い放った。
黄色の瞳が若葉を映す。
『私はウシワカをよく知っている。あの人が異常なくらい強いってことも知ってる。だけど、バレーボールは6人でするものだ。一人が狂えば皆が狂う。全てはタイミングだよ。その一瞬もツッキーは見逃さないから、絶対止められる。私はね、君に期待しているんだよ』
私は期待って言葉が大嫌いなんだけどね、と軽く笑い飛ばす若葉を呆気にとられたように月島は呆然と見つめた。
未だ若葉のスパイクもドシャットを決めれないのに、さらに強いウシワカを止められると若葉が本気で思っていることに驚いた。
それに、期待されてるとは。
馬鹿だと言われた日を思い出し、月島はふっと笑い飛ばした。
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早夜(プロフ) - ナノハナさん» ありがとうございます！ぜひ追ってください…！あれ51話が2つありますね？？修正します！教えて下さりサンキューです！ (2月28日 15時) (
レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - 続編ありがとうございます！！！！ずっと追わせていただきます！！！…51話が２つある事が気になっているんですが… (2月28日 15時) (レス) id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - 冴凪りつさん» ありがとうございます！ちょっと入れるはずのなかった話を入れてしまい、代表決定戦まで入るか心配になってきております。更新頑張りますね！楽しみにしていて下さい！！ (2月27日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ふみさん» お待たせしてすみません！ガンガン更新する予定ですので楽しみに待っていただけると嬉しいです！ (2月27日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
冴凪りつ(プロフ) - 続編待ってました!!これからの展開すごく気になります!!更新楽しみに待ってます！ (2月27日 21時) (レス) id: c52178a352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早夜 | 作成日時：2024年2月26日 14時
