79話 ページ32
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「なあ若葉〜、連絡先交換しよーぜ!」
『西谷。いいよ』
「孤爪も!な!」
孤爪の横でもぐもぐとお肉を頬張る若葉の元にトコトコと駆け寄ってきた西谷。
ケータイを掲げてるわけは連絡先を知りたいのだとか。
若葉に聞きに来たようだが、その横にいた孤爪にもせっかくだからと連絡先を聞く。
孤爪はキョロキョロと目を泳がせ、うん、と小さく頷いた。
「一次予選突破したらまた会えるだろー?その時、若葉にサーブまた打って欲しい。次は拾う!」
『私も磨いておくよ。そう簡単に取らせたくないからね』
「いーや!絶対とる!!」
『どうかな。サウスポーはなかなか取りにくいからねぇ』
隣で孤爪が小さく息をついた。
結局、若葉も西谷と同じバレー馬鹿だ。
負けず嫌いで、上を目指す。
言い争う西谷に孤爪はメールアドレスを突きつけた。
「お、サンキュー!」
『アドレスか、忘れかけてた』
連絡帳に西谷の名前が表示された。
その後、谷地や清水、白福達の連絡先を交換したのだが、隣にいた孤爪はどんどん女子がやってくる状態に肩身を狭くした。
それに気づいた若葉が機転を利かせて孤爪から白福達を離れさせた。
『ごめん。まさかこんなに人が来るとは思ってなかった』
「大丈夫だよ、若葉の人脈の広さはそれなりに理解してるつもりだから」
『雀田さんなんかチラチラ研磨のこと見て察してたからね』
「そうなんだ」
『そうなんだよ』
と、その時、リエーフがパタパタと若葉に駆け寄ってきた。
紙コップに入ったお茶を飲みながらリエーフに目を向ける。
「若葉センパイ!センパイは牛島若利の妹だって、入部の時に言ってたじゃないですか。それってウシワカの妹ってことだったんですね!!三大エースがお兄さんとか凄いっすね!!」
『あ"?』
グチャッ。
左手の中の紙コップが悲惨なことになり、お茶が溢れて出た。
やばいと察知した孤爪はサッとタオルで若葉の左手を拭きながら、若葉の顔をちらりと見てみれば動向が開いた恐ろしい表情をしていた。
バッと周りに目を向ける。すると、黒尾と目が合った。
若葉に目を向け、リエーフを指させば伝わったのか、黒尾が慌てて箸や皿を置いて駆け寄ってくる。
『…今、なんて言った?ウシワカを兄に持つ私が凄いって言ったように聞こえたけど、気のせいじゃないよね?』
「え、若葉センパイ怒ってます…?」
『質問に答えて』
リエーフは目を瞬かせた。
いつも話を聞いてくれて、少し怖いところはあるけど優しい先輩がこんなに激怒する瞬間を見たことがなかった。
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早夜(プロフ) - ナノハナさん» ありがとうございます!ぜひ追ってください…!あれ51話が2つありますね??修正します!教えて下さりサンキューです! (2月28日 15時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - 続編ありがとうございます!!!!ずっと追わせていただきます!!!…51話が2つある事が気になっているんですが… (2月28日 15時) (レス) id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - 冴凪りつさん» ありがとうございます!ちょっと入れるはずのなかった話を入れてしまい、代表決定戦まで入るか心配になってきております。更新頑張りますね!楽しみにしていて下さい!! (2月27日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ふみさん» お待たせしてすみません!ガンガン更新する予定ですので楽しみに待っていただけると嬉しいです! (2月27日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
冴凪りつ(プロフ) - 続編待ってました!!これからの展開すごく気になります!!更新楽しみに待ってます! (2月27日 21時) (レス) id: c52178a352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:早夜 | 作成日時:2024年2月26日 14時