78話 ページ31
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そんなこんなで始まったBBQという名のお肉争奪戦。
若葉もお皿に乗ったおにぎりを配っていたが、一瞬で無くなったため、お肉を取りに行くことにした。
紙皿と割り箸を片手にふと見つけた影山の肩を叩く。
口を膨らませてもごもごさせた影山は振り返ると若葉を見て、勢いよく飲んこんだ。
「何か取りましょうか?」
『お肉ちょうだい。あと、少し野菜よろしく』
紙皿を渡せば、影山はトングを手に野菜やら肉やらバランスよく紙皿に乗せて若葉に渡した。
『ありがとう。あと速攻、成功して良かった。よく諦めずに頑張ったね。私は君を誇らしく思うよ』
「え…」
空いていた片手で影山の頭を撫で、若葉は体育館前の石階段に座っていた孤爪の方に足を向けた。
撫でられた影山は動きが止まっており、日向が影山の目の前にあるお肉をそろりそろりと奪っても気づかなかった。
孤爪の隣に腰を下ろした若葉は孤爪に声をかける。
『食べなくていいの?』
「食べたよ。そんなにたくさん食べれないし…」
『…いる?』
箸で肉を掲げるとゲーム画面から横目でチラリと見て、ん、と小さく口を開いた。
食べようと思えば食べられる。
だが、ゲームが優先というわけである。
孤爪に餌付けしたあと、若葉は肉と野菜をつかんで口に入れた。
久しぶりのお肉に頬が緩む。
「若葉って意外と食べるよね」
『頭を使うとお腹空くから。あと筋肉をつけるためにも食べないと』
「…おれに言ってるよねソレ」
若葉は小さく肩を竦めた。
雀田からわけてもらったおにぎりを頬張っていると、反対側に座っていた月島に澤村が「月島、もっと食べなさいよ!」と皿に盛られたご飯を押し付けていた。
そして、それに便乗した黒尾が言う。
「研磨もだコラー」
「米を食えよ!」
「肉だろ!!肉を食え!!大きくなれないぞ!!」
木兎や黒尾の言葉にいらないと研磨はブンブン首を振る。
そんな研磨を見て黒尾が「若葉、その少食に肉をやれ!」と若葉に命令した。
『さっきあげましたよ。少しずつ食べてるんで大丈夫です』
「おお、そうか。え、何だって?研磨が肉を食べた??待て、研磨お前、皿は?まさか若葉にアーンでもしてもらったのか!?おい??研磨が!?」
「…クロうるさい。別に、若葉がくれたんだからそれでいいでしょ」
「いや、よくねぇよ!!若葉ちゃん、研磨くんは危険よ…貞操が奪われるわ!!」
『お母さん、うるさい。黙って』
「ハイ」
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早夜(プロフ) - ナノハナさん» ありがとうございます!ぜひ追ってください…!あれ51話が2つありますね??修正します!教えて下さりサンキューです! (2月28日 15時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - 続編ありがとうございます!!!!ずっと追わせていただきます!!!…51話が2つある事が気になっているんですが… (2月28日 15時) (レス) id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - 冴凪りつさん» ありがとうございます!ちょっと入れるはずのなかった話を入れてしまい、代表決定戦まで入るか心配になってきております。更新頑張りますね!楽しみにしていて下さい!! (2月27日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ふみさん» お待たせしてすみません!ガンガン更新する予定ですので楽しみに待っていただけると嬉しいです! (2月27日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
冴凪りつ(プロフ) - 続編待ってました!!これからの展開すごく気になります!!更新楽しみに待ってます! (2月27日 21時) (レス) id: c52178a352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:早夜 | 作成日時:2024年2月26日 14時