72話 ページ25
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「この技はな、逃げるために使うもんじゃねぇ。完璧なタイミング、完璧なトス、完璧なスパイクの体勢。"強烈なスパイクが来る"と誰もが思った時───何より自分が"強烈な一発が打てる!"と思った瞬間が好機!」
嘲笑うように、カマす──
フェイントは若葉がよく使う。
強打だけではないと、いくつもの選択肢があるのだと錯乱させたかったからである。
それに木兎も言っていたが、フェイントはスパイクが決まった時とは違う気持ち良さがある。
拾おうと飛び込んでくる人達のこっちを見上げる瞬間が最高なのだ。
音駒のタイムアウト中に若葉は孤爪に話しかける。
『シンクロ攻撃は厄介だからリードブロックね。森然は協力プレーだから、そこを突けば崩れやすいはず』
「うん、誰が打つかわからないのが厄介だよね。でも、夜久くんが拾ってくれるから大丈夫でしょ」
『そうだね、夜久先輩は拾ってくれるからね』
「お前ら…さも当然かのように言いやがって」
若葉たちの会話を聞いていた夜久がドリンク片手に呆れたように呟いた。
そんな夜久の言葉に孤爪と若葉は顔を見合わせる。
「…拾えないの？」
「拾えるけど！？拾ってやるけど！？」
『その意気でお願いします』
「何だこの後輩たち…」
「音駒の背骨で脳で心臓デスヨ、やっくん」
夜久は黒尾にローキックをお見舞した。
その時、ふと若葉は烏野の試合に目を向けた。
西谷がレシーブをする。
日向が非常に速いスピードで飛び出してくる。
影山はどこか迷っているように感じた。
けれど、日向の目が影山を貫く。
──やんねーの？
トスが放たれる。
日向へ一直線に飛んで、そんで止まって。
バシンッと梟谷のコートにボールが落ちた。
『ふはッ、サイコーだよ』
若葉は胸が高鳴るのを感じた。
今までと違う速攻。
空中でも戦える選択肢が増えた。
良かった、と若葉は思った。
たとえ自分の言葉がなくとも日向はやろうとしただろう。でも、あの時、背中を押してあげたこと。
少しでも自信を与えられたことが若葉にとって何より嬉しかった。
そして、日向の姿が兄に重なった。
背丈も顔も性格も何一つ似ていないのに、何故か重なった。
兄の飛ぶ姿を見てカッコイイと思えた幼い頃と同じように、興奮が高まっているのだ。
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早夜(プロフ) - ナノハナさん» ありがとうございます！ぜひ追ってください…！あれ51話が2つありますね？？修正します！教えて下さりサンキューです！ (2月28日 15時) (
レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - 続編ありがとうございます！！！！ずっと追わせていただきます！！！…51話が２つある事が気になっているんですが… (2月28日 15時) (レス) id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - 冴凪りつさん» ありがとうございます！ちょっと入れるはずのなかった話を入れてしまい、代表決定戦まで入るか心配になってきております。更新頑張りますね！楽しみにしていて下さい！！ (2月27日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ふみさん» お待たせしてすみません！ガンガン更新する予定ですので楽しみに待っていただけると嬉しいです！ (2月27日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
冴凪りつ(プロフ) - 続編待ってました!!これからの展開すごく気になります!!更新楽しみに待ってます！ (2月27日 21時) (レス) id: c52178a352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早夜 | 作成日時：2024年2月26日 14時
