58話 ページ11
．
馬鹿。
そう言われた月島は片眉を上げた。
『君は自分の能力を上手く使えてないから下手なんだよ。経験もそうだけど、それより大事なのはセンスだろ。それを持ってんのに、学ばないなんて馬鹿だ。黒尾先輩、木兎さん、彼にブロックを教えてやって下さい』
「「イエッサー！！」」
「質問に答えたからブロック跳んでねー」
ビシッと月島を指を指して指示すれば、黒尾と木兎が月島の両脇に立ってコートへと背中を押していく。
若葉はふんっと鼻を鳴らした。
腕を組んで少し怒ったような表情の若葉に赤葦は気が障らないように近寄る。
「牛島は意外と熱いんだね」
『やる前から諦めてるやつは嫌いだ。私は辞めたけど諦めたわけじゃないし。あと、私のことは名前で呼んで』
「わかった。俺のことも名前で呼んでいいよ」
赤葦は若葉の顔を覗き込みながら笑ってそう言った。
笑顔を向けられた若葉は一瞬、思考が停止する。
そしてふと呟いた。
『…君が軽率に笑顔を振りまいたら募金してくれそう』
「若葉までボケに回らないでよ。ボケは木兎さんと黒尾さんで手一杯」
『ドンマイ、けーじくん』
「名前を呼ばれるのって新鮮でいいね」
『そのスマイルに点数をつけるとしたら100点満点』
「木兎さん、若葉がブロック跳んでくれるそうです」
赤葦をからかい続けた若葉はとうとう木兎に売られた。
へいへいへーい！と両手を広げて近づいてきた木兎を避け、担がれた前科があるために何されるかわからず恐ろしいので、自らコートへと入る。
『オイ、セッターも入れよ』
「意外と口悪いね」
それは人を売っておいてお前はしないのかという苛立ちから。
月島にお手本と称して黒尾と2人でブロックを跳べば、男子に比べては低い身長である若葉の頭上が狙われる。
それを見越して、黒尾とスイッチして跳べば気づいていなかった木兎はそのままストレートを打ってきてドシャット。
「うぇーい！」
『うぇーい！』
「ぐぬぬぬぬッ、スイッチとかずるい！！」
『それ試合中にも言うんですか？』
「若葉が怖い…」
その後、月島と若葉が交代し、若葉はスパイクを打つ方へと回った。
さすがの黒尾でもサウスポーは慣れていないため、ワンタッチが多く、完璧なブロックをすることはできなかった。
「左って難しいな」
『これがウシワカと同じ左利きスパイクです。なかなか止められない気分はいかがですか？』
「お前、だんだんと性格悪くなってきてんぞ」
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早夜(プロフ) - ナノハナさん» ありがとうございます！ぜひ追ってください…！あれ51話が2つありますね？？修正します！教えて下さりサンキューです！ (2月28日 15時) (
レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - 続編ありがとうございます！！！！ずっと追わせていただきます！！！…51話が２つある事が気になっているんですが… (2月28日 15時) (レス) id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - 冴凪りつさん» ありがとうございます！ちょっと入れるはずのなかった話を入れてしまい、代表決定戦まで入るか心配になってきております。更新頑張りますね！楽しみにしていて下さい！！ (2月27日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ふみさん» お待たせしてすみません！ガンガン更新する予定ですので楽しみに待っていただけると嬉しいです！ (2月27日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
冴凪りつ(プロフ) - 続編待ってました!!これからの展開すごく気になります!!更新楽しみに待ってます！ (2月27日 21時) (レス) id: c52178a352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早夜 | 作成日時：2024年2月26日 14時
