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勘違い part2 ページ5

:







とある日のこと。




「あ、歩」

『お、颯じゃーん。こういうとこで会うの珍しいね?』





声を掛けられ、振り向けば中途半端に手を伸ばした颯と目が合った。

ぱちくり、と目を瞬いた後、ニッと笑みを零す。




駆け寄れば、「そうだね」と人差し指で頬を掻いた。





その気恥しそうな表情に歩はにんまりと笑った。

颯のこういうとこが好きなのだ。





と、颯の斜め後ろにいた人とパチリ、と目が合った。





『あり?知り合いの方?』

「あ、うん。三間さん。仲良くしてもらってるんだよ」

『ほぇー、初めまして。六里歩です!』





紹介されては、紹介するしかない。

そう思い、元気よく挨拶してみれば





「初めまして、三間貴之です。颯くん、彼女いたんですね」





いいですね、なんてとんだ勘違いをされたものだ。


2人揃って顔を見合せたあと、




!?!?





大声を出してしまった。いや、無理もない。


そして、とんだ勘違いをした当の本人はキョトンと目を瞬かせている。





『一目でボクが女だってよくわかりましたね?いや、そんなことどうでもよくて!』

「み、三間さん、歩は彼女なんかじゃなくて、大学の同級生で、」

『そうそう!ボクの友達と颯の友達が同じで、友達の友達は友達みたいな!?』




誤魔化そうだとか、隠そうだとか、そんなやましいことは一切考えていない。

とにかく、純粋に、ただ、誤解を解きたいだけなのだ。




三間は顎に手を当てて、ふむ、と頷いた。





「では、颯くんの友達である六里さんと私は友達、ということになりますね」




何を言い出すのかと思ったら___。


歩は脱力して肩を落としたまま、『そう、ですね……』と返事を返した。





「あ、先程会社でお菓子を頂いたので、六里さんもよろしければ貰ってください」

『ありがとう三間さん、いや、神様』

「いえ、私はただの人間です」





一瞬で態度が変わり、キラキラとした目で三間の両手を包み込んで礼を言う歩。

それに対し、通常運転で言葉を返す三間。


歩の態度の変わりようを呆れた目で見る颯。








今日も平和でした。まる。

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早夜(プロフ) - ぽすとさん» ありがとうございます。亀更新だとは思いますが頑張ります! (2022年12月28日 12時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
ぽすと - 文字の色とかフォントとか工夫しててとてもいいです!!お話も面白いし…。これからも頑張ってください! (2022年12月25日 22時) (レス) @page3 id: 8a2886ac53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:早夜 | 作成日時:2022年11月21日 7時

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