綾人の誕生日(番外編) ページ46
この物語は、綾人の誕生日に書いた番外編チックなのです。何故か彩葉の喋ってるところが『』になっていますが、気にしないで読んでください
『神里様のお誕生日?』
「そうなんです」
トーマさんが私にそう言ってきた。
確かにそろそろではあったな。日頃お世話になっているのだから、プレゼントは用意しなくてはいけない。
しかし…何をあげれば良いのだろうか。神里家に来て、半年以上になっているが…未だにあの人の好みが分からない。
この前、神里様が作った料理を食べてしまったら、何故かトーマさんが怒られてしまった。
てっきり、あの人が好きな物を作ったのかと思ったのだが…違ったらしい。
『何をあげれば喜びますかね』
「そうですね……。彩葉さんのあげるものならなんでも喜びそうですけどね」
『そう言う答えは求めてません…』
「では、手料理などいかがですか?前に、彩葉さんの手料理が食べたいとぼやいていたので」
手料理?神里様にしては意外だな。
いゃ…そう言うのが恋しいのかもしれない。
『分かりました。その日の夕食は私にお任せを』
「分かりました」
私は何を作るか決めるべく、城下町へと出かけることにした
(そういえば、彩葉さんの手料理ってどんな感じなのだろうか。まさか……ね…)
「トーマ様が心配しているような事は起きませんよ」
「うわっ、びっくりした」
「お嬢様の料理は、天下一品ですよ」
詩音は何故か誇らしげに微笑んだのであった
―誕生日当日―
「誕生日の日までお仕事をなさる事ないですのに…」
「すぐ終わる仕事だから大丈夫だよ。早めに帰ります」
「彩葉さんも待っているみたいなので、本当に!なるべく早く!帰ってきてくださいね!」
「ふふっ。分かりました」
チラリと見ると、神里様が屋敷を出ていく所が見えた。
こんな日まで仕事だなんて。当主はやはり忙しいのだな。…斉藤家にいる時の私もそんな感じだったな。
今は多分楓原家の人間なんだよな、私……?
楓原家は全て万葉に任せている。一応彼が後継ぎだからね。
まぁ、彼自身楓原家を建て直すつもりはないらしい。
弟が決めた事を、姉の私が口を出すつもりもない。
今も北斗さんといろんな所に行ってるのかな
「お嬢様。そろそろ」
『ごめん。じゃあ仕込みでも始めようか』
私がここで自分の料理を振る舞うのは初めてのことだ。
将来的に、彼の妻になるのだから…ここでなめられてはいけない。
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作者名:ふく | 作成日時:2022年10月14日 19時