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翌日。私は執務室に籠もっていた。
斉藤家が経営している店から横領はしていないようで良かった。
貯金と収入をただ無駄遣いしているだけであった。
祖父に、一応経営能力はまだ残っているようだ。だが、貯金がほとんどない。両親の遺産まで使われたか。

この先が不安で仕方ない。

さっさとこの家を見捨てればいい話だが、私には行く宛がない。
いや、待てよ。万葉と一緒に南十字で働くのもありなのでは?
なんなら、他に天領奉行とかに住み込みで……

まぁ、来月の桜雷武闘会が終わったら考えるか。
色々準備しないとな。
予算は社奉行が管理してくれているから、盗られる心配がない。
斉藤家は由緒正しき家だ。剣の腕は斉藤家に敵うものはいない。
敵うと言ったら、将軍様ぐらいだろうか。

だが、今の跡継ぎは私しかいない。
それなに私には“当主”の婚約者が……


「お嬢様、神里綾人様がお見えです。」


噂をすれば…
なんの連絡も無しにやってくるなんて。


「今執務で忙しいから無理と言って、帰ってもらって。今度は事前に連絡をくれとも伝えといて。」

「分かりました。」


あの人はよくわからない。
ぶっちゃけ、杏と結婚したほうが良いのではないかと思う。お互いの家のためにも。
いゃ、でも杏を嫁がせるのは駄目だな。
彼が幸せになれるとは思えない。なんなら、杏のことを斬り殺す可能性がある。
あの人は、目的のためなら手段を選ばない質だろう。

大会が終わったら、婚約破棄でもしよう。

私達が結婚しても、意味が無い。
お互い、愛があるわけでもないのだから。


「お嬢様。また明日、10時頃に訪ねるだそうです。」

「……。」


あの人、マジで意味分かんない。
私は彼のことを忘れ、執務に戻る。

何人か人を雇わないとだな。
大会のポスターを貼るのは大変だ。
午後は雇い用のポスターを貼りに行くか。

パパッと、数十枚ポスターを書いていく。
来たら来たで、即採用である。
ただ貼るだけだからね。

斉藤家に不利になるようなことは無い。

暗殺者がくると少々厄介だが、私自身が恨まれるようなことはしていない。
まぁ、返り討ちにするから大丈夫だ。

私はお昼を食べるべく居間へと向かう。

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作者名:ふく | 作成日時:2022年10月14日 19時

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