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「久しぶりじゃな、彩葉」
「お久しぶりです、八重宮司様」
彩葉は鳴神大社を訪れていた。
桜雷武闘会の為に八重神子の元へとやって来たのだ。
「ふむ…見た感じ、旅に出てかなり成長したみたいじゃな。妾としてはとても誇らしいぞ」
「ありがとうございます…！」
「……やはり汝は可愛らしいな。小さい頃から変わらぬ可愛さじゃな」
「私と会う度にそれ言いますよね……。何か私に求める事があるのですか？」
彩葉は毎回神子が自分の事を、やたら可愛いと言ってくるので、何か裏があるのではと考えた。
そんな彩葉をみて神子は笑った。
「そうじゃな…特には無いな。汝が幸せでいてくれれば、それで良い」
「……」
「ただ…お主があの神里の若造に嫁ぐ事だけが、妾にとって不安要素じゃな」
綾人の話題が出て、顔色が変わる彩葉
「ふと思ったのじゃが、お主が嫁いだら斉藤家はどうなるんじゃ？」
「……私は、神里家に嫁ぐつもりはありません」
「ふむ、なるほど……。じゃあ妾が良い婿でも紹介してやろうか？」
神子からそれを聞いて、彩葉は少し考えた。
「無事婚約破棄出来たら…もしかした、お願いするかもしれません」
「……分かった。では、本題に移るとするか」
この時の神子は気掛かりな事があった。
(あの若造が彩葉を手放すとは思えんがな)
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話し合いが終わった二人は、社務所から出て来た。
「本日はありがとうございました」
「妾にとっても有意義な時間になったぞ。桜雷武闘会が無事終わる事を祈っておる」
それを聞いて、彩葉は微笑む
彩葉がお辞儀をして去ろうとすると、神子は彼女を呼び止める
「妾は彩葉の味方だという事を忘れるではないぞ」
「……？」
彩葉は何故それを言われたか分からなかった。
そんな状態の彩葉に近づく神子
「汝に幸せがありますように」
「……！」
神子から何かをかけられたと感じた彩葉
少しだけ嬉しそうに笑ったのだった
「また来ますね」
「あぁ」
彩葉は神子に軽く手を振り、神社を後にした
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作者名：ふく | 作成日時：2022年10月14日 19時
