ー ページ37
翌日、試合後に繰り広げられたまさかの熱烈なプロポーズ劇場は、現地スポーツニュースでも朝一番にホットな話題として報じられ、結城は元よりあの青年は一躍有名人となった。
"あれなんだろう…ドアの前に荷物が"
朝、結城の家に向かった我々が目にしたのは
"ファンからのプレゼントかな。"
郵送用に、センス良くXmas梱包された小さな箱だった。
(伝票はモザイク処理)希望日が24日のイブとなっているが、今日は既に25日。
インターホンを鳴らし、出迎えてくれた彼女に訳を話し、その包みを手渡すと
「あー、結構そういう事ありますよ笑。
指定日に届かないの。
昨日は配達の皆さん忙しかったんでしょうね笑。」
との事。
なんとなく分かってはいたが、あまり細かい事は気にしないタイプの様だ。
"なんか桜？みたいな良い匂いしますね。
ずっと外にあったけど、食べ物とかだったら大丈夫？"
そんな我々の心配に、カメラに背を向けて軽く中身を確認した彼女は、中に入っていたらしい可愛らしいXmasカードを読んで一つ笑みを零すと
「相変わらずの女子力……」
と独り言の様に呟いた。
「お風呂グッズだったので大丈夫でした。
鼻良いですね、桜の香でした笑。」
そんな彼女に、流石に差出人を聞く事は出来なかったが、後にカメラから遠い所で
「なんでリップ切れてるって知ってたんだろう……」
と一人首を傾げていた。
密着は続く。
『A、本当にXmas何にもなかったの？
あの密着マンとイルミネーション行っただけ？
ハァ…確かに、イルミネーション見に行ったらどう？とは言ったけど……』
『A！監督が呼んでたわよー‼』
『Aからの……バックトス⁈からのバックアタック決まったぁぁぁっ‼‼
なんだ今の⁈まるでメッシじゃないか‼』
『Aー‼ボーイフレンドから電話よー‼』
『だから違うって……‼』
Xmasのムードから一転、師走は大詰め。
そしてイタリアも迫り来る新しい一年を迎える空気に包まれていた。
そしてカウントダウンの花火が、新たな一年の訪れを祝う花火に変わる。
ここまで密着して我々は思った。
きっと彼女は、嘘のない真っ直ぐな言葉と姿勢で、これまで沢山の人間をすくい上げてきたのだろう、と。
全てが順調に見えた。
だが、異変は確実に近づいていた。
密着も一カ月を過ぎようとする
ー2019年1月半ばー
彼女の姿は、コートの上になかった。
ー次週へ続くー
予告VTR...
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1022人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
#M(プロフ) - 初めまして。楽しく拝見させていただいてます。是非、2以降のパスワードを教えていただけると嬉しいです。よろしくお願い致します。 (4月29日 19時) (
レス) id: f9e2a1b66a (このIDを非表示/違反報告)
リエ(プロフ) - はじめまして。楽しく素敵な作品で一気読みしました。続きが気になるので、よろしければパスワードを教えていただきたいです。 (4月6日 7時) (レス) @page50 id: 3e6db03f03 (このIDを非表示/違反報告)
ろん(プロフ) - 初めまして。とても惹かれる作品で一気読みしてしまいました！！！もし可能でしたら、続きのパスワードを教えていただきたく思います！お待ちしております。 (3月24日 23時) (レス) id: 4ab3d6e2fc (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - 初めまして。とても素敵な作品で楽しく読まていただいております。続きが気になるのでよろしければ、パスワードを教えていただきたいです！よろしくお願いいたします。 (1月14日 13時) (レス) id: 0f292486a4 (このIDを非表示/違反報告)
flover(プロフ) - 初めまして。とても楽しく作品を読ませていただいております。何度か読み返しており、続きが気になりました。もし宜しければ、パスワードをお教えいただけないでしょうか？よろしくお願いいたします。 (1月3日 19時) (レス) id: aeaa3e44b3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：虎鉄
| 作成日時：2019年10月27日 16時
