Prolog ページ2
______午前5時30分 某港
男は目の前の惨劇に唖然とした
「呆気ないねぇ｣
大量の血を浴びた少女は手に着いた血をペロリと舐めて笑う
「君1人になっちゃったね」
かつてこれほど、恐怖を感じた事はあっただろうか
辺り一面には、"仲間"だった者たちの変わり果てた姿
鼻に突き刺さる鉄の匂い
事の発端は数日前
「3日後の明け方にブツの取引がある」
男の上司、ジンはバーボンに告げた
○月○日午前5時。某港であるモノの取り引きがある。こちらはそれを持って、それに値する金と情報を得る。それが確認でき次第取り引きに応じろと司令が下った
事が大きいため、ジンはバーボンに数十人の護衛を許可した
そして当日。下調べを済ませたバーボンは先に何人かの部下を港に配置させ、遅れた港に着く。既に相手は到着していた
ジジと無線が鳴り、部下から取り引き相手は他に仲間を連れてきていないと報告がある
「君がバーボンか」
「はい。この度は私達の無理な要望に応えて頂きありがとうございます」
「まったくだ。この量を数日で用意するのは大変だったよ」
バーボンは侍らせていた部下が持つアタッシュケースを開けろと命令した
「先に報酬金をお渡しします。例の情報はそちらの中身を確認してからでよろしいですか」
「ああ、構わない」
相手はアタッシュケースを受け取り確認する。そして、"例のブツ"が入っているボストンバックをバーボンに渡した
「言われた通り300個用意した。確認してくれ」
バーボンはボストンバックの口を開ける。
取り引き相手は少し後ずさり横に建つ錆びれた倉庫をチラ見して口を動かした
そして、拳銃を取り出した
「貴様ら、裏切ったな！！！！」
発砲音が鳴り響いた
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作者名：ミノル | 作成日時：2023年5月17日 2時
