第三ゲーム ページ4
「やべえ、マジかあ!!」
カシャカシャと連写を繰り返しながら、船の外観をいろんな角度から撮る。
よっしゃ、あとで、色んな奴らに自慢のLINEでも送るか。
一人満足して、船の入口へと移動する。
ー
東京に住む24歳。友達とルームシェアしているため(?)無職。
キヨという名前で実況者をやっており、大変人気である。
脱出ゲームを得意とする。
そこには、変に正装を着こなしたじいさんが。
「こんちわー。このメール、もらったんですけど、ここで合ってます―?」
そのじいさんに、もらったメールを見せつけ、へへっと笑う。
すると、閉じていた瞼を開けたじいさんが「清川慧さまですね」と聞いてくるので、「おう」と
答える。
瞼が閉じていたので、寝ているのかと思ったが、ちゃんと起きていた。
「ええ、たしかに。では、こちらへ」
じいさんの手が指す方には、真っ赤な絨毯がひかれた通路がある。
「すげーー!!」
これまた、カメラ機能にしたスマホを向け、カシャカシャと連写。
ツイッターにも、あげて、暇なやつらに自慢してやろう。
なんて、考え、鼻歌を歌いながら、通路を歩いた。
あれ、あの後ろ姿?
俺は、船へと続く通路を歩いている男性の後ろ姿に見覚えがあった。
赤髪に羨ましくなるほどの高身長とスタイル。
あれ、キヨさんじゃないか?
同じ実況者で、前、セピアさんに誘われた飲み会で会ったことがある。
しかし、すぐさま、その考えを取り消した。
まさか、同じ実況者と同じ旅行に当選したなんて、偶然過ぎる。
フルフルと頭を振り、キャリーバッグの取っ手を強く握りしめた俺は、そんな彼の背を追うように、
通路へと向かった。
ー
東京に住む27歳で、会社員を職にしている。
コジマ
アクションアドベンチャーゲームを得意とする。
入り口にいたおじいさんに「須賀湊様ですね?」と確認され、無言でうなずく。
早く、先ほどの人の顔を確認して、キヨさんじゃないと、安心したかった。
だって……この船に同じ実況者が乗り合わせているだなんて、
やっぱり怖すぎるくらいの確立だからだ。
案内された通路を足音を立てずに、歩く。
「なんで、こんなに胸騒ぎが」
訪れた不思議な胸騒ぎ。
これがまさか、的中してしまうだなんて。
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:霜月 | 作成日時:2017年8月22日 17時