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水面に映ったのは ページ5

目を覚ますと、私を取り囲むように、長谷部、不動、宗三が心配そうな顔で座っていた。

さっきあんなことが無ければ、喜びのあまり発狂していたことだろう。

だけど、彼らの存在は、先ほどの悪夢が続いていることを意味しており、喜ぶことはできなかった。

「蝮、目が覚めたのか」

私が起きたことに、長谷場が気づいた。

彼は私の殴られた傷を冷やしてくれていたらしく、新しく桶に水を汲みに行っている途中のようだ。

立ち上がろうとすると、まだ殴られたところが痛んだ。

ふと、自分が来ている服が、全く知らない服であることに気がついたけど、

誰かが着替えさせてくれたんだろうと、無理やり自分を納得させた。

「お前は薬研に折られかけていたからな。

不動が気づいてくれなければ、危ないところだった」

「それに、長谷部の機動も必要だったな。俺は気づいたところで何も出来ないなまくらだから」

長谷部と不動の会話を聞きながら、ぼうっとする頭で考える。

もしかして、私は刀剣女士になったんじゃないか、と。

我ながら、ぶっ飛んだ発想だけど。

やけに連発される『折れる』という単語に、やけに親しげな刀剣男士。知らない服装。

私は落ち葉に足をとられて死んで、刀剣女士に転生した……とすると、合点がいかなくもない。

いや、流石にそれはないか。

「長谷部、水の入った桶をくれる?」

そう言うと、長谷部は、少し心配そうに私を見てから、桶を渡してくれた。

少し顔を洗って目を覚まそう、と思っただけだった。

しかし、桶には知らない美少女が映っていた。

「あれ?どうしたんです?そんなに驚いて。水に何か入っていましたか?」

宗三が怪訝そうに訊いてきた。

「いや、何でもない」

少し顔を洗ってから再び水面を覗き込むけど、映るのは、相変わらず例の美少女だった。

人は其れを地獄と云う→←混乱の中に



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ツキアカリ - キリンの妖精、キリンロングさん» ありがとうございますm(_ _)m語彙力おばあちゃんにならないように頑張ります(?) (2019年5月18日 23時) (レス) id: 5a16b46531 (このIDを非表示/違反報告)
キリンの妖精、キリンロング - 世代交代(?)頑張って下さい←語彙力の枯渇 (2019年5月18日 22時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
ツキアカリ - ふはいねこさん» 応援ありがとうございます!期待に添えられるように頑張りますね(。・ω・。)ゞ (2019年5月17日 23時) (レス) id: 5a16b46531 (このIDを非表示/違反報告)
ツキアカリ - 前作者さん» 読みました、自分の文章力でどこまでできるか分かりませんが、この作品をもっとよく出来るように頑張ります! (2019年5月17日 22時) (レス) id: 5a16b46531 (このIDを非表示/違反報告)
ふはいねこ - ツキアカリさん» はじめまして。作者交代お疲れ様です(?) 二代目になっても応援してますね。頑張ってください。 (2019年5月17日 22時) (レス) id: 5701e6bc20 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2018年12月25日 22時

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