【刀剣乱舞】刀剣女士に転生したら顕現した瞬間に推しに殴られて刀突きつけられました。

タイムリミット ページ23

久々の風呂を満喫し、再び部屋に戻ると、長谷部、宗三、不動に加え、乱が揃っていた。

恐らく、私に貸したシャンプーとかを返して貰いに来たんだろう。

「お風呂、どうだった？」

いきなり、乱が訊いてくる。

「思ったより豪華だったよ。あと、シャンプーとか、ありがとう」

そう言って一式を乱に返した。

「どういたしまして」

そう言いつつ、ふふっ、と乱が笑った。

「どうかしたの？」

「いや、髪の毛サラサラになったなーって思っただけ」

確かに、高価なものを使っただけあって、私の髪は前世を含め初めての櫛の通りのよさを発揮した。

「今は終わったばっかりだからいいんだけど、

月末になると、政府の月例調査近くなって、本丸全体がカリカリしてくるんだよねー。

そうなっちゃったら、のんびりお風呂入る余裕もないから、今のうち満喫しとかないと」

「えっ」

乱の発言に、思わず驚きを隠せなかった。

「政府の月例調査、終わったばっかりで、この惨状だったの？」

不動の足や、乱の手の傷、他にも、怪我をしている刀剣男士はたくさんいた。

「今回は不動が政府の役人に混じって本丸から抜け出そうとしたのもあったけど、

基本的にはこんな感じかな」

「……前回の月例調査っていつだったの？」

「えっと、Aが来た日で丁度一週間だよ。

次の調査は、それから三十日後」

そう言うと乱は、掃除当番の仕事を片付けに部屋をさった。


一週間か……私がこの本丸に来て、まだ二日目。

次の調査まで、あと二十二日か。

この本丸を救うとすれば、次の月例調査のときだろう。

どちらにせよ、政府の役人が本丸に入ってきた時点で、

どれだけ刀剣男士たちが必死に隠そうとしても、私の存在は見つかってしまうだろう。

タイムリミットは、あと三週間。

それまでに、この本丸を告発する策を見出さねばならない。

焦燥→←背に伸し掛るその重みは

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す