霊力 ページ19
先程の厚の言葉の意味を考えつつ、のびきったうどんを啜っていると、程なくして長谷部たちが帰ってきた。
「蝮、起きたんだな。元気そうで良かった。へし切に聞いたときは焦ったけど」
不動がいち早く気づく。
「起きるの遅くてごめんね」
「いや、問題ない。俺たちは六時から遠征に出されていたしな」
六時……そういう意味でもブラックだな。
「そういえば」
宗三が言った。
「昨日はてんやわんやでしたし、普通にスルーしてしまいましたけど、その治癒能力って何なんでしょう」
今更か。
皆順応力高すぎるんだよ。
「蝮、何かした自覚はあります？念を込めたとか……」
「いや、触れただけで、何も」
そう答えると、ろくに追及もせず、宗三は質問対象を不動へと変えた。
「不動は、どんな感じでした？」
「感覚的には、霊力の手入れと似てるな。と言うか、その可能性が高いと思う。
霊力の感じは……刀のそれよりも、人間に近いな」
人間的な霊力……？
まさか、前世から引き継がれているというのだろうか。
だとすると、やはり、私は「蝮」ではない。
彼女の姿を借りてるだけの偽物だ。
それがバレてしまっては、ここにじゃ一緒にいられない。
本来、ここは私がいて良い場所ではないのに。
蝮ってどんな刀なんだ。
私の振る舞いの「正解」はなんだ。
前は、刀剣男士に会えるだけでも幸せだと思ってた。
なのに、なんて強欲な！
蝮が実在したのは確かみたいだけど、今はどこにいるんだろう？
謎が謎を呼ぶ。
考えれば考えるほど
「気持ち悪い」
宗三が心配そうに慌てて駆け寄ってきた。
その優しささえも、疑わしく思えてしまって。
誰も信用出来ない。自分すらも。
何も分からない。考えられない。
頭痛がする。気持ち悪くて吐きそうだ。
「あーあ。私のくせに、情けない。体調崩してばっかりじゃない」
再び声がした。
「恥ずかしくないの？」
ああ、そうか、と思った。
この声は、『蝮』のものなのだろう。
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ツキアカリ - キリンの妖精、キリンロングさん» ありがとうございますm(_ _)m語彙力おばあちゃんにならないように頑張ります(？) (2019年5月18日 23時) (
レス) id: 5a16b46531 (このIDを非表示/違反報告)
キリンの妖精、キリンロング - 世代交代(？)頑張って下さい←語彙力の枯渇 (2019年5月18日 22時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
ツキアカリ - ふはいねこさん» 応援ありがとうございます！期待に添えられるように頑張りますね(。・ω・。)ゞ (2019年5月17日 23時) (レス) id: 5a16b46531 (このIDを非表示/違反報告)
ツキアカリ - 前作者さん» 読みました、自分の文章力でどこまでできるか分かりませんが、この作品をもっとよく出来るように頑張ります！ (2019年5月17日 22時) (レス) id: 5a16b46531 (このIDを非表示/違反報告)
ふはいねこ - ツキアカリさん» はじめまして。作者交代お疲れ様です(？) 二代目になっても応援してますね。頑張ってください。 (2019年5月17日 22時) (レス) id: 5701e6bc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2018年12月25日 22時
