右手平手打ち ページ38
「どうして……」
死にかける私に、薬研は問いかけた。
「どうして、そんなに抵抗しようとするんだ。
蝮、お前はいつもそうだ！
俺とやりあったところで、力の差は歴然としていると決まってるだろう。
その上、審神者はお前の存在に気づきつつある」
きりきりと、首を絞める力が強まる。
「俺はお前に苦しんでほしくない。
審神者にお前が嬲り殺されるのを見たくない。
お願いだから、お前だけは、せめて俺の手で……」
親とはぐれた幼子のような泣きそうな声。
その声を聞いた瞬間、私のやらなければいけないことが反射的に分かった気がした。
薬研は私の首に夢中になっている。
つまり、酸素が回らないせいで痺れてるとはいえ、両手は自由なわけで。
私は自由な右手で、薬研の左頬を思い切り殴りつけた。
おそらく、それほど威力はなかっただろうが、薬研の不意をつくには充分だった。
その一瞬の隙を見逃さず、私は薬研から離れる。
「この……エゴイスト！」
私は叫んでいた。
「死に場所ぐらい私が選ぶ。お前に決められる義理はない。
私は、お前達をこの境遇から救うまで、決して折れない！」
ああ、まただ。
この既視感。
そう、確かこれは、本能寺の……
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 970人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ツキアカリ - キリンの妖精、キリンロングさん» ありがとうございますm(_ _)m語彙力おばあちゃんにならないように頑張ります(？) (2019年5月18日 23時) (
レス) id: 5a16b46531 (このIDを非表示/違反報告)
キリンの妖精、キリンロング - 世代交代(？)頑張って下さい←語彙力の枯渇 (2019年5月18日 22時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
ツキアカリ - ふはいねこさん» 応援ありがとうございます！期待に添えられるように頑張りますね(。・ω・。)ゞ (2019年5月17日 23時) (レス) id: 5a16b46531 (このIDを非表示/違反報告)
ツキアカリ - 前作者さん» 読みました、自分の文章力でどこまでできるか分かりませんが、この作品をもっとよく出来るように頑張ります！ (2019年5月17日 22時) (レス) id: 5a16b46531 (このIDを非表示/違反報告)
ふはいねこ - ツキアカリさん» はじめまして。作者交代お疲れ様です(？) 二代目になっても応援してますね。頑張ってください。 (2019年5月17日 22時) (レス) id: 5701e6bc20 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2018年12月25日 22時
