【男主】俺を楽しませてよ【ヒロアカ】 (ページ10)

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【体力テストIV】ページ10

相澤さんの個性を知りすぐに相澤さんがイレイザー・ヘッドである事に気付いた彼はヒーローマニアなのだろうか。
相澤さんはメディアへの露出を嫌っていたからイレイザー・ヘッドを知っている人も多くはない。いわばアングラ系ヒーローだ。

「見たとこ…、【個性】を制御できないんだろ？
また行動不能になって誰かに救けてもらうつもりだったか？」

「そっ、そんなつもりじゃ…、」

「どういうつもりでも周りなそうせざるをえなくなるって話だ

昔暑苦しいヒーローが大災害から一人で千人以上を救い出すという伝説を創った
同じ蛮勇でも…… お前は一人を救けて木偶の坊になるだけ

緑谷出久お前の【力】じゃヒーローにはなれないよ」

あの地味めの彼は緑谷出久君というらしい、話を聞いてるぶんには彼は個性を制御出来ずに自分自身も負傷してしまうようだ。
相澤さんはわざと厳しいことを言っているが全くその通り、自分の個性一つまともに制御出来ず人を助ける立場にあるヒーローが助けれるようではヒーローにはなれない。
無駄に希望を与えるくらいなら現実を突きつけて道を正してやるのが正しいのだろう……。

しかし、個性の発言は齢4歳まで、そこから個性の制御が出来るはずなんだがそれが出来ていない、不思議な子だな緑谷君は……。

「なあなあA、アイツ先生に何言われてるんだ？記録低くて怒られてるのか？」

相澤さんと話をしている緑谷君を見ているとジャージの裾をちょいちょいと引っ張り小声で話し掛けてくる上鳴、流石に空気を読んだからかな？

「さあ、それより上鳴人の事色々言える記録じゃないだろう
このままだと上鳴が最下位で除籍処分かな？」

俺よりも背の低い上鳴は実質俺に上目遣いをしながら俺と話している。
上鳴が最下位だったらさよならだなと冗談を交えて言うと嫌だー！と抱き着いてきた、重い。

再び緑谷君に目を戻すと２回目のボール投げをする途中だった、きっと彼はとても悩んでいる。
ここで個性を使って全力の成績を出すのか、はたまた普通に投げて最下位におさまるか、どちらを取ってもヒーローになる見込みは０。
先程と同じようにボールを投げる姿勢を取る、全力で投げるのか、なんか期待外れだ。と思ったら彼はボールを押し出す最後の力に個性を使った、ボールは705.3ｍと大きな数字を叩き出した。

俺の期待を裏切らない彼の目を見て背中にゾクゾクと悪寒が走る、あぁ緑谷出久君、やっぱり俺の目に狂いはないみたいだ……！