【男主】俺を楽しませてよ【ヒロアカ】 (ページ17)

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【戦闘訓練の後】ページ17

またなと轟君の肩をポンと叩き横を通り抜けて教室を出る。
俺みたいなのがヒーロー？本当、向いてねぇよな。
第一俺がヒーローになったのはあのクソ親父に言われたからであって俺自身がなりたかった訳じゃねぇんだ…。

A組の皆はヒーローになりたいと頑張っているがいつか現実を見る日が来る、己にヒーローが向いていないという現実、
俺の知っている奴の殆どが現実に耐えきれずヒーローを辞めた。彼等もそうなる時が来るのだろうと思うと現実な甘くねぇなと思う。

「あ、あの！！赤星君！！」

玄関で靴を履き替えている途中に声を掛けられ振り返ると痛々しい包帯を身に付けた緑谷君がいた。

「どうした？緑谷君」

「赤星君、か、かっちゃんの爆破からた、助けてくれたよね？」

「…、何でそう思うの？」

緑谷君の方へ体制を向き直すと緑谷君は上や横へと目線を動かしながら頬をかく。
俺は好きな子に対して意地悪したくなる性格だから素直には答えてあげない。

「体力テストの時に少し見ただけだから憶測なんだけど、水を操る個性だよね？
あの爆破の時僕を覆うように水のバリアが出来てた、それに君みたいに判断力の高い人が簡単に爆風に巻き込まれることはないと思ってさ」

君のコスチュームも何本かボトルをつけていたからと思って！と語り出す緑谷君に呆気にとられてしまい反応するどころか無言になってしまった。
緑谷君はそれを俺がドン引きしたと捉えたのかあたふたとしながらごめんなさいと謝ってきた。

「ぁ、いや、謝ることないよ
ただ、君はよく周りを見ているなと思って驚いただけ」

オドオドとする緑谷君に慌てて笑顔を見せるとほっとしたような表情を見せた。
不思議だよ緑谷君、君は何でこんなにも俺の気持ちを掻き回すのだろう。

あ、赤星君も凄いよと包帯をしていない方の腕をブンブンと振る緑谷君に近付いて俺よりも背の低い彼の耳元に口を近付ける。

「君は本当に、面白いね俺、君の事結構好きだよ」

「ぁ、せ、せ、赤星、く、ん、！！」

みるみると顔を赤くする緑谷君を見て少しからかいすぎたと思う、でも可愛いなぁ。
ごめんごめんと笑いながら頭を撫でると小刻みに震え始める、怪我そんなに酷いのか？
緑谷君もこれから着替えるだろうにこのまま足止めさせるのも悪いから帰ろうかな。

「あ、緑谷君俺の事はAって気軽に呼んでよ」

う、うん！と笑う緑谷君に緩み出す口元を手で抑えながら雄英を後にする。
緑谷君、俺を飽きさせないでね…。