女優とFBIと公安と

20話 ページ21

『…ハァ…ハァ…』


彼はすぐに気づいたらしく 何人ものスーツの人たちが怖い顔で駆けて行くのが見えた



今の私は路地裏を抜けて近くにあったアパートのゴミ捨て場の陰で身を潜めている



でも相手は殺し屋



バレるのは時間の問題…



タクシーに乗って逃げるべきか…




それとも……クリスに……



その時やっと気がついた



手ぶらの裸足であることに



『…嘘でしょっ……ｯ』




絶望に駆られているとスーツの人たちが近づいてくるのが見えた




「この辺にはもう居ないのかもしれないな… ｸｿｯ」


「あぁ その可能性は高いな

履き物は取り上げてあったのだから裸足のはずだ…何かしらの乗り物に乗った方が早いと踏んで遠くへ逃げただろう」


「まずいな…早く見つけないとｯ」


「よし 車を出せ」







『……ｯ…ハァー……行ったみたい…』





さっきの話だとこの辺にはもう居ないと思われているみたい…







ひとまず良かった……







でも



これから何処へ行けば…





私の頼にできる人…




クリスと毛利さん…の所は安室さんが待ち伏せているかもしれないｯ…




青山くん(ﾏﾈ)は…今日休みで実家に帰るって言ってたし……








誰か……他に……ｯ









！！！









ダ…ダメだｯ……家知らないんだもん……









とりあえずあの辺に…ｯ！！！








ｷｮﾛｷｮﾛ







『…い、今だっ』









・





・





・




あの時彼は軽装で歩いていたんだもの




きっと近くに住んでいるんだわ！！









もう彼しか…頼れる人はいない…！！









『…きっとこの辺りにお家が…』









「誰かお探しですか？」









『………ｯ！！！！』









安「Aさん」

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