ウインドボーイズ！短編集 (ページ1)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:756 hit

『likeとlove』（愛実＆十希）Part１ページ1

やっぱアニキってカッケー！

ん？アニキって誰かって？

そんなの佐野愛実に決まってんだろ！お前知らねーのかよ！

人生の半分は確実に損してるぜ！？

は？そ、そんなことない？

ま、そう思うんなら勝手に思っとけば。俺は帰る、じゃーな。

放課後。部活に行く準備をしていたら隣の席の○○が急に話しかけてきた。

○○「ねぇ、十希くんって佐野先輩が好きなの？」

十希「あぁもちろん。アニキのことは宇宙一！大好きだし尊敬してるぜ！」

○○「それってlikeの方なの？loveの方なの？」

隣の席の○○は1週間前に俺に告白してきた奴で正直気まずいし話したくはなかった。でも、アニキはキャーキャーいう奴らにも優しくしてるし、俺も女に嫌な顔しねぇって決めたんだ。

でも、これに関しては訳が違う。likeかloveか、そんな質問をしてくるクラスメイトがいていいもんか。

だから勿論俺は、

十希「何でお前がそんなこと聞くんだよ。関係ないだろ………。」

言いながら俺は席を立った。そのまま入口に向かう俺の背中にこいつはこう言った。

○○「佐野先輩が好きだから私のこと振ったんじゃないの？」

十希「は？どういう意味だよ！」

「だって！私の方が十希くんのこと好きだもんっ！いっぱい愛してるのにどうして分かってくれないの！」

正直面倒臭いと思った。何でこの流れでアニキを出してくるのか。自分が振られたのはアニキのせいだって……………こいつはアニキに全てを押し付けるつもりなのか………………。

十希「もう、そろそろいいか？俺、部活あっから。」

○○「あっ………待って十希くん！！」

こいつを残して俺は教室を去った。