依頼ノート３ 【著者】小笹大輔 ページ25
次の日、目が覚めるとちゃんまつが何故か隣で寝ていた
かってに来たのだろうか、呼吸器を勝手に外してる・・・。
また説教だな・・・。
でもいつもと違うのはちゃんまつの手だった・・・。
俺を撫でていたのか・・・。もしかして泣いてたのかな・・・。
なんか恥ずかしいな・・・。
今まで、ちゃんまつは何もできなかった
殺すこと以外、何も・・・。
教えてもすぐには覚えられないし、それどころかできなくて焦った時は
叫び出してしまう
そんなちゃんまつが大嫌いだった
でも、俺と同じ思いをしていた、いや、俺以上の辛い思いをしていたと知って、
そんな気持ちはどこかへ行ってしまった
ｍ 「んんっ・・・。大輔？」
ｄ 「大輔？じゃないよ、だめじゃん、勝手に動いちゃ、ちゃんまつが一番重症なんだから」
ｍ 「・・・ごめん」
ｄ 「でも、ありがとう。ちゃんまつはホント優しいね。」
ｍ 「ふふっ／／／やった、大輔に褒められた／／／」
ｄ 「・・・ねぇ、ちゃんまつ。ちゃんまつは嫌じゃないの？人を殺すことが」
ｍ 「・・・さとっちゃんにも聞かれたんだ、今幸せかって。
俺は分からないって答えたんだ」
ｄ 「どうして？」
ｍ 「もちろん人を殺すことは苦しいし、辛い。でも、みんなと過ごす毎日は幸せなんだ
あの暗闇の中にいた時よりも・・・。俺は、もし殺し屋じゃなくなったら、
俺の中には何も残らない」
ｄ 「そんなことっ」
ｍ 「それにね、俺、死ぬんだったら、このままみんなと殺し屋をやって死にたいんだ
笑って終わりたい。どんなに間が辛くても、最後は笑いたいんだ」
ｄ 「・・・そっか、ありがとう、教えてくれて」
俺の考えてたことは、ある意味無謀だったのかもな・・・。
聞いた俺がバカみたいだ。最初から分かってたじゃないか
だって、ちゃんまつはあいつに洗脳されてるんだから・・・。
藤原聡に、いや、”俺の家族を殺した奴”に・・・。
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作者名：as髭男 | 作成日時：2021年9月4日 0時
