依頼ノート2 【著者】楢崎誠 ページ14
車を車庫に入れ、聡とちゃんまつを起こし、家にかえる。
s 「ならちゃーん、お腹すいたー」
n 「はいはい、ちょっと待ってろ」
ギュッ
n 「んっ?どうした?ちゃんまつ」
正直少し驚いた俺よりも大きいちゃんまつが不安そうな顔で、俺の手を握っていた。
m 「ならちゃん・・・。ごめんね・・・。」
n 「えっ?」
m 「ならちゃんのお父さん、殺したから・・・。」
n 「ちゃんまつ・・・。いいって、逆にありがとな、助けてくれて」
m 「ホントに、そう思ってんの?」
n 「えっ?」
m 「だってならちゃん、なんか悲しそうだから・・・。」
今まで侮っていた。ちゃんまつはてっきり、人の心が分からないやつなんだと思ってた。
でも、違った。ホントは優しいやつで、人の心がわかるやつなんだ。
聡に操られてるだけなんだ・・・。
n 「俺は大丈夫だよ、ありがとう」
頭をなでると素直に喜んだ。
こんな顔を見るの初めてだ。
知らないことってまだまだあるんだな・・・。
s 「ねぇならちゃーん!」
n 「はいはい、行こちゃんまつ」
m 「うん」
俺は愛されてないわけじゃない。
ちゃんと、周りに愛してくれる、助けてくれる、寄り添ってくれる仲間がいることに
気づいてないだけなんだ・・・。
依頼ノート2 end
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作者名:as髭男 | 作成日時:2021年9月4日 0時