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腕の中で暴れまくる私を、ガンナーが打って変わって品の良い優しいキスで捩じ伏せる。愛おしそうに唇を食んで、舌を丁寧に絡める。舐めて吸って転がして、まるで大事な飴玉みたいに扱われて。私はすっかり蕩けてしまって、ガンナーの思惑通り大人しくなるしかない。こんな時に優しくするなんて、狡い。


「……いい子だA」


 唇を離したガンナーが満足そうな顔で微笑んで、行儀悪く足で寝室の扉を開ける。そしてゆっくり私をベッドに横たえて髪に口付けると、その巨体で私を潰さないようにそっと上に覆いかぶさった。


「さぁ、俺のシャツを返してもらおうか」
 

 優しい手つきでボタンを外していくガンナーの肩の向こうに、朝日が照らす寝室の埃が星屑みたいに瞬く。目の前に揺蕩う金色の前髪も、同じように光に煌めいて目が眩む程に綺麗だ。昨日まで互いに中東の死線で血みどろだったのが嘘みたいに、寝室は神聖な輝きに満ちていた。
 それに気を取られていると、欲の火が灯った碧眼の双眸に急に視線を遮られて、瞳にキスされた。目を開けると不服そうな顔をしている。俺を見ろ!、と言わんばかりだ。
 大男のそんな甘えた態度が可愛くて、私は顔の横にある太い左腕に唇を寄せて、そこにいるカラスにまたキスを贈った。ちょっと長めで情熱的なキスを。

 それで、ガンナーのスイッチが完全に入る。


「おい、カラスばっか可愛がるなよ、妬けるだろ。予定変更だ。オープンサンドはランチかディナーに食え」


 また髪をかき上げられて、うなじにいる私のカラスは今度こそ食い荒らされる。シャツもショーツも一気に取り払われて、押し付けられたガンナーの淫らな熱さに体が震えた。私は目を閉じてガンナーが与える快感に身を任せながら、ラップをしないで放ってきたオープンサンドのパサつきを少し思った。


end

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るう(プロフ) - 緋月さん» 緋月様、こんにちは。コメントをありがとうございます!とても励みになります!ヤンが大好きで、これからも書いていきますのでこれからもお付き合い頂けたら幸いです。エクスペ4の話題も出て来たので、ますます頑張っていきたいです。 (2022年10月13日 22時) (レス) @page42 id: 18f6845a23 (このIDを非表示/違反報告)
緋月(プロフ) - 初コメ失礼します。文章の書き方といい、話の書き方がとても好きです!ヤンさん大好きです (2022年10月13日 13時) (レス) id: 2ff1628a0d (このIDを非表示/違反報告)
るう(プロフ) - nonさん» non様、早速感想を頂き有難うございます!嬉しいです!エゴイストはヤンの過去を作成したり内容が真面目だったりと楽しめるか不安でしたが、お好みで良かったです。ホットドッグの話はヤンをキザでお茶目に描く事に注力しました!また是非ご訪問下さいませ! (2021年11月16日 1時) (レス) id: c14aa388ad (このIDを非表示/違反報告)
non(プロフ) - るうさん、こんにちは。エゴイストを読ませて頂きました。ヒロインがヤンと共に戦場に立ち、葛藤しながら生きているという設定がすごく好きでした。ホットドッグランチを読んだら、私も食べたくなってしまいました。 (2021年11月15日 18時) (レス) id: 4771644271 (このIDを非表示/違反報告)
るう(プロフ) - nonさん» non様 初めまして、作者のるうと申します。感想をありがとうございます!とても励みになります。と同時に、同志が居たことに歓喜しています!これからもヤン作品を増やしていく予定ですので、またご来訪下さいませ! (2021年11月10日 9時) (レス) id: c14aa388ad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:るう | 作成日時:2021年11月6日 21時

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