消耗品の付属品【エクスペンダブルズ】

・★ ページ16

「ひぇ、なっ、何言ってんの、キャラじゃないでしょっ、離して」
「責任取れ、Aのせいだぞ」
「バカっ、変態っ、いい歳して盛らないでっ……仕事中よ」
「盗聴器設置はすぐ終わる、他のメンバーが来るのは明日、君は俺の奥さんの設定だ」
「そういう問題じゃないのっ」
「いいから、もう黙れ」
「ヤン、っぁ、嘘でしょ、ヤン待って！」
「待てって言われて待てる男がいると思うか？」

　ヤンは平然と私の耳や首筋にキスを落とす。抵抗を試みるも、体術に勝るヤンの腕から逃げられるはずもなく、壁に追い詰められた。向き合うヤンの瞳には欲が色濃く滲んでいて、見つめられるだけで私も息が上がってしまう。

「A……」

　甘い声で名前を呼ばれて、口を塞がれる。壁に押し付けられながら角度を変えて何度も唇を荒らされる。熱い舌が絡まってきて離れず、情欲を煽って仕方ない。それはまるで獣のような息を奪うキスで、ヤンの熱が私に移り始めた。ああ、このままじゃ思考がヤンに蹂躙されてしまう。私はバラバラになりかけている理性を何とか拾い上げて、震える声で訴える。

「は……んん、ヤン、お願い。こんなの良く、ない。一時の感情で……ふ……ぁ！」
「良いも悪いもあるか？俺は今Aが欲しい」

　足の間にヤンの膝が入り込んできて、敏感な部分を押し上げ始める。既に濡れ始めているそこは、刺激される度に音がはっきり聞こえてくる様で耳を塞ぎたくなる。私の声も抑えきれなくなって、段々甘く高くなっていく。キスの合間に名前を呼んで私を必死に欲しがるヤンの真剣な表情に、私はとうとう耐え切れずに目を閉じた。もうダメだ、降伏だ。


　やがて手品の様な手際で襟元のボタンも脇のファスナーも外される。ヤンは私の露わになった胸元にキスマークを付けながら、ドレスのスリットを捲り上げて太腿の暗器を外して放る。床にナイフが落ちる冷たい音が大きく響いても、もう私には聞こえなくなっていた。再び太腿を這い上がる無骨な手を感じながら、ヤンのカラーのボタンを外して寛げる。ヤンの熱に、理性はすっかり焼き切れてしまった。

「…‥一時の感情ならいっそ良かったんだがな。俺はタチが悪いぞ、A」

　私の下着に手をかけながらヤンが耳元でそう小さく囁いても、私にはその呼気さえも快感に変わる。ヤンの肩に両腕を掛けて、荒い呼吸でねだる。

「ヤン、責任を取って。ねぇ、早く、私の旦那様」


end

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