打開案【黒鶫文佳様リクエスト：「打開策」続篇】 ページ45
「よォ、準備は良いか？」
通信機からの音声に流華は微笑む。
『もちろん』
途端に、辺りに凄まじい音が響いた。
目の前の、敵対組織の屋敷の屋根が崩落している。
中也の異能による先制の一撃。
其れを合図に流華も編み上げ靴で地を蹴る。
上階の崩落に、動きを封じられた敵構成員が、文字通り流華を迎え撃つ。
彼女は焦りもせずに、口角を上げた。
『異能力【二人女房】』
ゆらり。彼女の背後に幽鬼のような影がゆらぐ。
和装にマント、仕込み杖を持つ異形。
それは、間違いなく紅葉の持つ異能【金色夜叉】。
流華の異能は、一定時間【金色夜叉】の分身を作り上げ。
そして、自由に使役する。
『行け』
命令に、夜叉は宙を駆け、敵を切り裂いていく。
『ふふ。血飛沫の色は美しい』
「おい、遊んでんじゃねェぞ」
『分かっておるわ』
通信機越しに中也に返す。
流華は自身の懐に手を伸ばし。短刀を引き抜いて。夜叉と背を合わせる。
『一気に片づける！』
夜叉が目にも止まらぬ速さで敵に切りかかる。
同時に、流華も床を蹴って敵陣に飛び込む。
濃く、鉄錆の匂いが充満する。
「伏せろ！！」
いきなりの言葉に、体が反射的に動いた。
銃声。被せるように、骨の砕ける音がした。
見れば、先刻まで流華がいた場所に弾丸がめり込んでいた。
「大丈夫か？」
声を掛けられて、二階部分へ視線を上げる。
『中也…』
彼の足元で、狙撃手が首を折られて死んでいた。
『…助かった』
「おう」
珍しく、素直に云えた礼。
其れに中也は飛び切りの笑顔で答えて、ひらりと流華の隣に立った。
「流華、殺るぞ」
『ああ』
温度のある背中が、ぴたりと触れ合う。
「流華」
『なんじゃ？』
「この塵片したら…色々話すか」
『そうじゃな…素直に、な』
なんだか、久しぶりの感覚に二人して笑い合った。
――――
リクエストを頂きました。
黒鶫文佳様誠にありがとうございます！
このようなモノでよろしかったでしょうか？
可能であれば感想をお願いいたします。
2016年12月3日ちょこ
学園騎士(ナイト)【白リンゴ様リクエスト：いじめられる夢主を助ける中也】→←大正浪漫喫茶店逢瀬【ラムネ様リクエスト：大正浪漫、軍人中也】
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ちょこ(プロフ) - パピルスさん» お待たせしました！先刻其の１１にてアップ完了いたしましたのでご確認お願い致します。 (2017年10月29日 22時) (
レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - パピルスさん» お久しぶりです！！お返事遅くなり申し訳ありません！！(;´･ω･)リクエスト誠にありがとうございます！！10/27-29日頃アップにて書かせて頂きます！少々お待ちくださいませ！ (2017年10月26日 0時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
パピルス - 記憶の雨の続編をリクエスト宜しいでしょうか。何年か過ぎて生まれ変わった２人を書いて頂きたいです！記憶は全くないけど何処か知っているような感じで惹かれ合うお話を書いて頂きたいです！お願いします（人´∀`*） (2017年10月23日 23時) (レス) id: 8aa7434c54 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 黒鶫文佳さん» お待たせいたしました！！其の7にてアップさせて頂きました！ご確認よろしくお願いいたします！ (2016年12月9日 18時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - ふうかさん» お待たせいたしました！先刻其の7にてアップ完了致しましたのでご確認くださいませ！ (2016年12月8日 23時) (レス) id: 2bc1ed36c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/koro0311ko1/
作成日時：2016年10月28日 21時
