無邪気な婚約者【黒林檎様リクエスト:「無邪気な彼女」続編】 ページ28
『叔父様!流華です、入ります!』
流華が、にこやかに告げて扉を開けた。
中也はそんな彼女に手を引かれ。
正しく死刑執行直前のような顔をしていた。
※
流華は森鴎外の姪。
中也は彼女の護衛係。
それが。
恋仲に発展してしまったのだ。
送り狼ならぬ護り狼とでも云うべきか、なんて呑気に考えている場合ではない。
なんせ、首領の親族に手を出したのだから。
良くて罷免。最悪処刑。
森の幼女愛を考えると後者も十分に有り得る。
戦々恐々の中也を他所に、流華は毎日楽しそうにはしゃいでいた。
それに気を許したのが不味かった。
『中也、本部に行きましょう!』
ある日そう宣った彼女。
「何か用か?」
と、問うと彼女はにこやかに云ったのだ。
『叔父に付き合っている人がいると話したら、連れて来なさいって』
その言葉に愕然としている間に手を引かれ。
そして、今に至る。
「そうか、中也君だったんだね」
首領がニコっと笑う。
お茶目な笑顔だが、駄目だ。目が笑ってない。
中也は己の血液が凍りつく音を聞いた。
しかし、流華は相変わらずで
『叔父様、恋人の中也です!』
そう爆弾を投げた。
その瞬間、中也は腹を括った。
先手必勝。男は度胸だ。
「首領」
床に膝を付く。
「姪御さんを、俺にください。
幸せにしてみせます」
暫し、静寂。
沈黙が突き刺さるようだ。
と。
いきなり森が大きな声で笑いだした。
「中也君が本気なら、良いだろう。
ただし…泣かせたりしたら承知しないよ?」
軽い声。
しかし、それは確実にマフィアの首領としての脅しを含んでいた。
より深く頭を垂れて。
チラと流華を見やれば、とても幸せそうに笑っていて。
まぁ、此れも悪くないか。
なんて考えて中也は彼女の手の甲に口づけを贈った。
――――
リクエストを頂きました。
黒林檎様誠にありがとうございます!
このようなモノでよろしかったでしょうか?
可能であれば感想をお願いいたします。
2016年11月20日ちょこ
赤ずきんと家族【黒林檎様リクエスト:「赤ずきんと人狼」続編】→←貴方に捧ぐ【黒林檎様リクエスト:中也に肝臓を提供する夢主】
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ちょこ(プロフ) - パピルスさん» お待たせしました!先刻其の11にてアップ完了いたしましたのでご確認お願い致します。 (2017年10月29日 22時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - パピルスさん» お久しぶりです!!お返事遅くなり申し訳ありません!!(;´・ω・)リクエスト誠にありがとうございます!!10/27-29日頃アップにて書かせて頂きます!少々お待ちくださいませ! (2017年10月26日 0時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
パピルス - 記憶の雨の続編をリクエスト宜しいでしょうか。何年か過ぎて生まれ変わった2人を書いて頂きたいです!記憶は全くないけど何処か知っているような感じで惹かれ合うお話を書いて頂きたいです!お願いします(人´∀`*) (2017年10月23日 23時) (レス) id: 8aa7434c54 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 黒鶫文佳さん» お待たせいたしました!!其の7にてアップさせて頂きました!ご確認よろしくお願いいたします! (2016年12月9日 18時) (レス) id: be59381d22 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - ふうかさん» お待たせいたしました!先刻其の7にてアップ完了致しましたのでご確認くださいませ! (2016年12月8日 23時) (レス) id: 2bc1ed36c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/koro0311ko1/
作成日時:2016年10月28日 21時