たなばた【日本民話・中国神話パロ】 ページ8
昔々の、また昔。中也という名の狩人が山に暮らしておりました。
さてさて、ある日の事で御座います。
中也が狩りの最中に何気なく泉を見ますと、一人の女が水浴びの最中でした。
その姿のあまりに美しい事！
中也は思わず泉の方へ脚を向けて仕舞いました。
その足音を聞いて、女は身構え、中也の傍の木に掛けてあった衣へ手を伸ばします。
其処にあった衣を見て、中也は悟りました。
彼女は天女なのだ、と。
このままでは、羽衣を着て、彼女は天に帰ってしまいます。
留める為、中也はさっと羽衣に手を伸ばしました。
「俺は手前ェに惚れた」
中也は真っすぐ天女の眼を見つめます。
「なァ、一年だけ俺に時間をくれねェか？」
『……一年後には？』
天女は不安げに中也を見上げました。
「手前ェが俺を好いてたら、嫁に欲しい。
無理なら羽衣は返す」
その申し出に、天女は渋々こっくり頷きます。
こうして、中也は天女を自分の家へ連れて帰りました。
中也は、流華という名のこの天女を大層愛で、大事に、大切にします。
それに、彼は働き者。暮らし向きは派手ではありません。でも、流華は段々中也に惹かれていきました。
出逢った初夏、二人で星を見て。盛夏、西瓜を食べて。秋、紅葉の色を楽しみ。冬には身を寄せ合って。
『中也さん、中也さん』
春、流華は中也を呼びました。
「如何したァ、流華？」
『私、決めました。どうか、これからもずっと此処においてください』
その言葉が嬉しくって、中也は流華を抱き締めました。
ところが、愛し合った二人。
もう二度と離れたくなくなってしまったのです。
急に怠け物になってしまった中也と流華に天の神様はとても怒りました。
其処で、中也と流華を星の国に挙げて、川の対岸同士に分けて仕舞ったのです。
此れに、流華はとても悲しんで、おいおい泣きました。
すると、その涙で度々星の川が氾濫して仕舞います。
困った神様は、毎年七月七日に、二人が逢えるように計らいました。
その日から、川を挟んで、二人はお互いの仕事に励んでいるのです。
ただ、七月七日に逢える事を楽しみに。
屋上イブニング！【鈴華様リクエスト：学パロ、中也先輩に告白する夢主】→←Sweet pea【鈴華様リクエスト：探偵社勤務の太宰妹クール系夢主】
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ＡＳ(プロフ) - 何時でもいいので、書いて頂けたら本当に嬉しいです！(*´∀｀*)これまで数々の素敵なお話を本当にありがとうございました！ちょこさんの作品を通して、視野が広がり、中也さんをより好きになることができました。長々のコメント失礼しました、最後まで応援しています！ (2018年5月9日 21時) (
レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
ＡＳ(プロフ) - これまで読ませて頂いてきました！ちょこさんの作品はずっと尊敬していて、本当に素敵なお話ばかりで、表現も素晴らしく…本当にちょこさんの作品が大好きです。もし良ければリクエストで、死人の幸せの続きで、夢主が妊娠して結婚に至るまでを書いて頂きたいです。 (2018年5月9日 21時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃんりんご - 「死人の唇」の続編ありがとうございます！中也さんと夢主ちゃんが幸せに暮らしているのを見て、嬉しくなりました！こんな素晴らしいお話をありがとうございます！！それとお話を催促するような感じになってしまいすみません。あと少しですが応援してます！ (2018年5月9日 20時) (レス) id: 4d17e83c8d (このIDを非表示/違反報告)
ルキア@中原中也の嫁になりたい(プロフ) - ありがとうございます！この作品にあった「再会」そして「再熱」というお話（その５にあったはず…）の続編として、中也､自身の子どもに会うというお話を書いていただきたいのですがよろしいでしょうか？ (2018年5月9日 0時) (レス) id: c7e2de022e (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - トップにも書かせて頂いた通り終了間近となっております。なかなかお返事が出来ない状況で申し訳ございません。またリクエストを頂いてもお答え出来かねる事態も発生するかと存じます。ご了承ください。 2018/5/8ちょこ (2018年5月9日 0時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/koro0311ko1/
作成日時：2017年7月1日 21時
