【文スト】【文豪ストレイドッグス】短編集【中原中也詰め】其の9

甘えん坊アングリーラヴァ―【誠咲（みざ）様リクエスト：甘えん坊シリーズ続編】 ページ43

ああああああああああああ、腹立つ腹立つ腹立つ。
中也は心底苛立っていた。原因は至って単純明快。世界で一番殺したい元相棒のせいだ。

先日。
組合撃破の為に手を組んでから、あの莫迦はまた馴れ馴れしく接してくる。
しかも、当然のように洒落にならないような嫌がらせ付きと来たもんだ。

挨拶代わりに人の身長をけなし、服装を嘲笑い、蛞蝓だと塩を投げつけ。
今日に至っては、ポートマフィア拠点駐車場にまきびしが撒かれていた。
中也の車の周りには阿呆程大量に。全く如何やって撒いたか疑問だ。

とにかく、片づけないことには誰も車を動かせない。
泣く子も黙るマフィアの構成員が駐車場の大掃除。
絵面が余りにも非日常(シュール)だ。

おかげで、帰宅時間が予想より遥かに遅れた。
此れで苛々するなと云う方が無理というものだ。

苦虫を千匹くらい�筋み潰したような顔で帰宅した中也。
今までに無い不機嫌に大慌てで出迎える流華。

挙句、流華に構いもせず、中也は寝台で大の字に伸びてしまった。

『中也…怒ってる？』

おずおず。流華は寝台の傍に座り込んでみる。

「怒ってるが、手前ェにじゃねェよ」

寝台の上から伸びてきた手に、流華は頬を摺り寄せる。

『お仕事？』
「の、関係者だな」

大きく溜息を付く中也。
流華はおろおろして。

思いついた。
漫画なら、頭の上で豆電球でも点灯しそうな顔だ。

『中也、前に此れで元気出るって云ったよね？』

立ち上がって、屈みこんで。
触れるだけの口づけの後逃げるように離れる。

『元気、出た？』

真っ赤な顔で、恋人がそんな事をしてくれて、元気の出ない男がいるものか？
答えは否である。

「元気、出た。有難うな、流華」

お返しに中也から手を伸ばして口づける。


――外套に引っ付いていたまきびしに中也が激怒して、探偵社に乗りこむのはこの翌日の事である。

――――

リクエストを頂きました。
誠咲(みざ)様誠にありがとうございます！
このようなモノでよろしかったでしょうか？
可能であれば感想をお願いいたします。

2017年4月23日ちょこ

地底の愛【葵様リクエスト：地底の始続編】→←死人の心【ありす様リクエスト：死人の唇続編】

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