梅の香り ページ3
紅に、白に、桃色に。
青空は己の物、とでも云いたげに咲き誇る梅の花。
空気は冬の厳しさから、随分暖かくなって何処か丸みを感じる。
二月も、もう終わりだ。
春が来る。
喜びを叫ぶように、梅の甘い香りが空気を染め上げ、人は其れに酔う。
久方振りに休暇の取れた今日。
中也も、そんな春告げの花を見に、恋人の流華と二人で、梅林園を訪れた。
『姐さんに着せてもらった！』
と、朝から和服姿で流華はご機嫌に跳ね回っている。
梅見に合わせたのだろう。淡い地に梅咲き誇る着物は彼女に似合って可愛らしい。
写真機を構えて、一枚。
照れて頬を膨らます彼女が可愛くて、もう一枚。
『もう、中也！』
「良いじゃねェか、可愛いンだから」
『…莫迦』
紅梅に負けぬ色に頬を染めた流華。
髪を梳いて、梅を見て回ろう、と誘えば機嫌は戻った。
着物のせいだろう。
普段より歩みが危なっかしい流華が転ばぬように。
そんな言い訳で手指を絡めると、流華の唇が小さく笑んだ。
※
暫く歩き回って、飽きる程梅を見た。
「少し、休むか？」
声を掛けると、流華も素直に頷いた。
人のいない、休憩用の東屋に腰を落ち着ける。
其処からも梅が綺麗に見えて、流華は嬉しそうに眼を細めた。
「そうだ」
『なぁに？』
「此れ、やるよ」
懐から出した細い箱を差し出す。
流華はきょとん、としながら受け取って。
『開けて良い？』と首を傾げるので、頷いて促す。
開封を進める流華の手が止まった。
『中也…綺麗だけど、此れは…』
「男が女にかんざし贈る意味くれェ知ってるだろ？」
流華は紅葉の部下だ。姐さんから教わっているだろう。
目を見れば、見事なくらい潤んで泳いでいる。
そんな彼女の前に中也は膝をつく。
「結婚、してくれるか？」
流華の口角が上がる。
答えは、もちろん――
猫、驚きました！【美袋様リクエスト：猫可愛くなりました！続編】→←猫、可愛くなりました！【美袋様・777様リクエスト『猫、懐きました！』続編】
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ちょこ(プロフ) - メガネコさん» お待たせいたしました！其の十にてアップ完了いたしましたので、ご確認よろしくお願いいたします！ (2017年4月30日 21時) (
レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 葵さん» お返事遅くなりすいません！ご確認誠にありがとうございます！わわ有難いお言葉感謝です！続編のご希望嬉しいです！4/30-5/2日頃アップにて書かせて頂きます！少々お待ちくださいませ！ (2017年4月28日 22時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 777さん» 某コンビニのアレですか！いいですね、羨ましい！作者田舎住まいでまだゲットできてないのです！ (2017年4月28日 22時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 777さん» お返事遅くなりすいません！お久しぶりです！リクエスト誠にありがとうございます！精神ごと6歳に戻った中也さんのお話ですね、畏まりました！4/30-5/2日頃アップにて書かせて頂きます！少々お待ちくださいませ！ (2017年4月28日 22時) (レス) id: 25228574eb (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 続編ありがとうございます!!わああ!!嬉しい!! ちょこさんの中也さんが大好きです!!もしよければまた続編書いて頂けないでしょうか? (2017年4月28日 5時) (レス) id: 71981e8c07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/koro0311ko1/
作成日時：2017年2月25日 15時
